泡銭(あぶくぜに)

@uwm54213

第1話

風が冷たい。

間違(またがう)宏は会社の帰り道、

思わず寒さに肩を竦めた。

今日は何か寄り道でもしたい

気分。

間違はいつものルートでは

なく、駅前の商店街を

通り抜けていくことにした。

すると、赤い旗🚩🚩🚩に白い文字

が三文字抜かれていて、その横で

血色のいい中年の👩‍🦳👩‍🦳女二人が

何かを待ち侘びるような顔をして

両手を擦りながら立っていた。

宝くじだった。

間違は今までの人生で宝くじ

を買ったことがなかった。

堅実な性格のせいもあるが、はなから

どうせ当たらないと思ってしまう

のだった。

(やめておこう)

間違は心の中でそうつぶやくと、

体を震わせながら家路を急いだ。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る