詩その他

言の音コト

詩 桜と共に舞えたなら

春に舞って

春に散るような

そんな人生になったなら


夏の汗に

暑さに心焦がれ

蝉の歌声がこの焦燥を

宥めるのです


楓は頬染め

甘く懐かしい

金木犀の香りは

毎年どこか

薄まって


粉雪に濡らす

コート

ダッフルだと嬉しい

昔両親に貰ったから

たぶん


時計は確実に

回っている

チッチッチ

チッチ カチ


秒針が回っていく喜びを

愛おしく噛みしめては


ふきのとう

染井吉野(そめいよしの)

楊貴妃(ようきひ)


八重桜が咲く頃には

散らなくては


皆と同じ

運命(さだめ)を

愛おしく想うことを

人には偶に変には想われてしまうけれども


それでも私は

一年草のように

少し咲いて 生きて 

ありふれてて

特別な生き物でもありません

ですが

十二分に

この命に愛を優しさを貰ったので

時が来た日には


ありふれた普遍性の中で 枯れて散れることに

天に感謝を込める今日日のことです


もしもこの命が消える日には

桜と共に舞えたならば

一緒に天に昇れそうで

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