第11話 10

わたしは、次に会った男の人ならどんな人でも受け入れると心に誓ったのです。


だって、結婚式をボイコットしたんですもの。これは我儘な自分への罰です。


わたしが異世界に飛んだ時、最初の出会いに驚いたのです。


目の前にいたのはまさかの犬・・・。


まさか犬に恋せよという神様の罰なのでしょうか。


悩んでるわたしの気持ちを知らずに犬はガルルルと警戒しています。お願いだから吠えないでください・・・。


「ワオォーン」


願いも虚しく犬が吠えると、明かりが漏れてる建物から人が出てきました。こちらに近づいているようです。


わたしは侵入者扱いされるのかもしれません。まずは身を守らないとと思いました。殺されるのだけは嫌でした。ですので、できれば使いたくないのですが、ハートリーダーを使いました。


「lu'phf awjnx /zgpdd・・・」


どうやら言葉が通じません。魔法を使って相手と話せるようにしましょう。




ぱっ、と明かりがわたしの顔を照らしました。眩しくて相手の顔がよく分かりません。






『えっ、何この子超可愛い。めっちゃ肌白くて美人すぎる!!こんな夜中にどうしたの?えっと・・・ここ会社の敷地内だし。侵入したの君だから俺は何しても悪くないグヘヘ・・・っていかんいかん。王子様を装わないと怖がられるかもしれない。中身は獣だけどなっ!って一人突っ込み悲しくなってくるわー。ついに俺のアナザーワールドが開花するぜ』




なかなか考えてることが次から次へと忙しい、楽しそうな男の方でした。


今からわたしはこの方に食べられてしまうのでしょうか?アナザーワールドってなんでしょうか?


緊張していたわたしは毒気を抜かれて、ちょっと安心して涙が出てきました。


今日から末永く宜しくお願い致します。


えっと・・・名前もわかりませんので、アナザーワールド様とお呼びしておきますね。






そこから先のハルト様の心の声は、赤裸々に語るとハルト様が困ると思うので、わたしだけの宝物にしたいと思います。


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