泥でできた娘/灰崎千尋
作品名:泥でできた娘
作者名:灰崎千尋
性癖:被造物
性癖:異形頭
性癖:錬金術
性癖:疑似親子
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354055037813473
実験の失敗で頭が異形になってしまった錬金術師と、錬金術師の代わりに町で取引をする者として作り出されたゴーレムの話。
錬金術師が異形頭になった事でゴーレムという被造物を産み出す必要が産まれて、被造物であるゴーレムを長持ちさせる為に育てた事が疑似親子という関係になり、錬金術師は錬金術の為に生きているので最後まで錬金術師だったという、性癖紹介に書かれている四つの性癖がそのままストレートに作品に現れていて最初から終わりまで全部性癖が詰まっているこれぞ性癖小説という作品でした。
被造物であるゴーレムは心が無くて命令に従っているだけなのですが、そのゴーレムの取った行動が町の人々からは人だとして扱って貰えているのがとても良いですね。行動を模範するだけでなく、自分で考えて行動出来ている時点で自分はその物体を物では無く者として扱ってもいいのではないかと思います。
人を人たらしめるのは自知ではなく他からの認知であり、構成物質と食べる物が泥なだけでこのゴーレムは間違いなく人であり、製作者である錬金術師の娘だったんですよ。でないと頭がフラスコになった錬金術師も人なのかどうかって話になりますし、他者から人として扱われているのなら蛋白質と水分の塊だろうがフラスコだろうが泥だろうがそこは関係無いんです。
鍛冶屋の親爺だってよく分からないけど、分からないからこそ彼女を『嬢ちゃん』と呼んで最後まで人として扱ってました。なのでブルネットちゃんは人。馬からやけに好かれちゃうけど人。ゴーレムよ、私が認める。模造品であれど汝は人である。
優しい気持ちになれると同時に性癖を植え付けられるような丁寧な性癖小説でとても良かったです。人では無い物が人になる作品は素晴らしいですね。
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