作品名：怪鴉紳士インバネス・レイヴン

作者名：狐

性癖：スチームパンク

性癖：人間と人外の境界にいる存在

性癖：価値観の衝突

性癖：相棒との共同作業

作品ＵＲＬ：https://kakuyomu.jp/works/1177354054954417240

　スチームパンクな世界の傍らで、変化しつつある世界に置いて行かれた人間と適応してしまった人外の二人組による誇りの為の戦いのバディ物。

　しょっぱなからスチームパンクの世界、怪物、怪物と戦う人外、戦う理由と狐さんの好きが詰まっていてこれぞ性癖小説という感じがしてとても良かったです。

　２話以降も人外の彼がどうして人外なのかやどうやって輸送業をやっている人間が仕事を取ってきたか等の細かい設定を傍らに置き、鴉との戦い、商売人の戦い、鴉のボスとの戦いと活躍しているシーンしか無いのもいいですね。そうそう、自分の好きを詰め込んで魅せ付けるのが性癖小説選手権なんですよ。

　又、三番目の性癖の『価値観の衝突』が悪い方向への衝突だけでなく、衝突はしたものの良い結果をもたらすというのがテクニカル性癖ポイントでした。普通ならば価値観の衝突と言われたら喧嘩になると思うのですが、衝突した結果として妥協ではなく認め合うという信頼が四番目の性癖の『相棒との共同作業』に繋がっているんですね。単に性癖を組み合わせるだけでなく、性癖をチェーンコンボさせるのは見事としか言いようがありません。

　性癖小説としてレベルが高い作品でした。この世界ってまだ他にも化け物居そうですし、長期連載も可能なんじゃないでしょうか。

　その時は是非、小型蒸気機関と歯車で動く女性型蒸気人形の登場をお願いします。