灰燼のイグニス/辰井圭斗

作品名:灰燼のイグニス

作者名:辰井圭斗

性癖:最終決戦手前の仲間内の会話

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054935919747


 性癖紹介に書いてある通り、最終決戦手前の仲間内で行われる会話シーンを切り抜いた作品。


 こういう『好きな部分だけ読んでくれ!』という参加の仕方は個人的に大々推奨で、その『好きな部分』でいかに性癖の素晴らしさを伝えれるかが性癖小説選手権の狙いみたいな物です。なので、灰塵のイグニスはそういった部分だけでも性癖ポイント高いですね。

 内容もロボット物でほぼ敗戦が決まっている決戦前というのがいいです。こういうの好きなんでしょってのが伝わってくるし実際に好き。ベテランになってしまった少年兵や思念を持っているロボットや優しいけど冷たい振りをしている女上司とか好きのオンパレードですよこれ。女上司は死亡フラグ経ってるから死んじゃうんだろうけど、最後に『約束を守れなくてすまない』とか言うんでしょ?主人公の為に死ぬんでしょ?そして勝ったはいいけど虚しさだけが残るんでしょ?性癖の欲張りセットじゃん。いいぞ、どんどん死んでどんどん少年の心に傷をつけていけ。

 ただ、『第57話』といきなり途中の話から始まっているのに人物や設定の紹介が初回みたいな感じになっているのが気になりました。こうやって説明してある方が読者には優しいんですけれど、折角長い話の中の最終決戦前の話だけを抜き出しているので説明なしで読者が知っている前提で書いてあるともっと良かったと思います。


 作品としてのレベルは高いし性癖力も高い良い作品でした。欲を言えば女上司が死ぬシーンだけ追加で読みたいです。

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