第242話 本当なのか? 嘘なのか?(21)

 お二人のお狐の巫女さまはね。


 その上さ? 御二人揃って妖狐だからね、大変に妖艶、麗しい。と、いうよりも?

 山田瞬の妻である、おさん狐さまのように大人の女性……。昔、昔の、古から日の本に古く伝わる伝説や書物に登場をする妖艶、可能、艶やか、麗しい……。




 そう、おさん狐さまのように齢九二歳……。




 そう、男性、オスとしてはもう役立たず、物が立つことさえない御老体……。




 そう、たぬきの御老体こと【ちくわのおじさん】の持つ、再起不能な聖剣を奮い立たせ、起こし。男の性を成就したいのだ。だからさせてくれ、やらしてくれと、己の両手を合わせ拝み、土下座をする程の優艶、艶やか美貌とは違い。二人の狐の巫女さまは、麗しく可愛いのだよ。


 売り場──。


 そう、山田瞬と、おさん狐さま夫妻が使用をする販売ブースの目の前をオス達……。




 そう、青年──。若いお兄ちゃん達が通れば、「おっ!」と、嘆息を漏らし振り返るぐらいの日本古来──伝わる。古き良き時代を残す容姿である大和撫子だからね。


「お兄さん~」


「兄さん~」


「ちょっと~」


「ちょっと~待ちなされ~」


「お兄さん~」


「ちょっと~。こっちへおいでやすぅ~」と。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る