第220話 2020年三月前後?(21)

 驚愕しながら告げると。


「俺も結構【謎のウイルス】関連のNSNの動画は見ていますよ……」と。


 コーヒー屋のお兄さんは、山田瞬の問いかけに対して笑みを浮かべながら言葉を返す、だけではく。


「本当かどうだか解らないけれど? 大島さんや山田君は、BK市の市長が、【謎のウイルス】の件を国に言われて、市民に発表しないで隠ぺいしていたと。謝罪の記者会見を開いた動画の方はもう見ましたか?」とも。


 山田瞬と大島のオジサン二人へと問いかけてもきたのだ。


「いや~、それは? 僕は未だ聴写の方をしていませんね……」と。


 山田瞬はコーヒー屋のお兄さんの問いかけに対して、未だ自分自身は、その動画に対して視聴の方はしていないのだと言葉を返すのだよ。


 でッ、返し終えれば山田瞬は、コーヒー屋のお兄さんから、大島のオジサンへと視点を代えて──。


「大島のオジサンは見ましたか……」と。声をかけたところで台詞をとめるのだ。


 だって大島のオジサンは、山田瞬と目が合うと『ニヤリ』自身の唇の両端まで吊り上げ苦笑を始め出すのだ。


 だから山田瞬は、大島のオジサンの様子を凝視して「(はっ! まさか? 大島のオジサンは視聴の方を終わらせているのでは?)」と、心の中で思うのだ。


「山田君、その動画ならば、僕はもう既に視聴の方は終わらせたよ」


 やはり山田瞬の予想通りだ。


 彼……。大島のおじさんは、コーヒー屋のお兄さんが問いかけてきた動画の方をもうすでに視聴の方を終わらせているのだと山田瞬へと告げてきたのだ。


 となれば、山田瞬の口から出る台詞は?


「えぇ、えええ~。うそ~? マジで~?」になる。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る