第172話 2020年の二月? (2)

 でッ、そんな大島のオジサンのお節介を聞く度に? 齢九十二歳になるたぬきの御老体はと言うとね~?


「大島~? 儂は~? 以前にも? お前に告げたと思うのだが? 喘息持ち……。肺や喉を患っているから、紙マスクを着用すると息苦しくて仕方がないからいらぬ~」


 と、言葉を返すのだが。


 またこれが? 毎日のように? 五味の市の店頭の販売ブースでおこなわれているから。


 それも? 声の大きな二人がね……。


 その会話が? 遠目や? 傍から見れば? 二人が声を大にしながら言い争いをしているようにも見えるから。


 五味の市へと? 冬の味覚の一つである殻付き牡蠣を購入しに市場へと、来店したお客さま達の目に自然と触れ──。注目を浴びるのだが。


 それでも~? この二人~?


 そう~? 齢九十二歳になるたぬきの御老体と、大島のオジサンは? 紙マスクを着用する! しない! のことで、じゃれ合うように口論をするのだよ。


 でッ、そんな二人の様子を? 山田瞬は? たぬきの御老体同様、『紙マスク』を着用していない様で? 「はぁ~」と、溜息をつきながら凝視しているのだが?


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