　すると？　彼の新妻さまは？　また？　周りの目……。

　そう～？　二人……。山田夫妻の周りにいる者達である。坪田御老体親子や大島のオジサンの目……どころではなないね～？

　山田夫妻が使用する販売ブースの前や横を殻付き牡蠣の入った袋を大事そうに持ち歩くお客さま達の目……。

　そう～？　他人の目など気にせずに～。未だ販売(商い)中にも関わらず。新婚ホヤホヤ夫婦らしい振る舞いで～？　おさん狐さまは～？　夫である山田瞬へとまた寄り添い～。甘え始めながら。

「(わらわは～？　瞬の～。優しさが余りに激しい状態だったから～。わらわ自身が～？　何度も耐え忍べなくなり～。記憶もところどころない状態も続いたほどだから～。電源が入っているテレビの画面を見て観賞するだけのゆとりはない状態だったから～？　瞬がわらわに訊ねてきても～。わからないし～。無駄だよ～。あなた～)」