第38話 2020年の初夢が正夢に? (7)

 う~ん、でもさ~? いくら年齢イコール彼女歴零の上に、童貞君ときている我らの主人公山田瞬だとしても。いくらこの世の物とも思えないほど美しく。昔話にでてくるような十二単の衣装を身に纏う姫さま仕様……。


 まあ十二単の着物の方は、かなり乱れて、赤の肌襦袢の間から、高価な枕さまの雪のような柔肌──。乳房の谷間も曝け出し、優艶な御姿ではあるのだが。


 高価な枕さまは、自ら山田瞬へと素性を告げた通りで。


 彼が大晦日の夜に見たテレビのコマーシャル……。


『ど○兵衛』に出演しているヒロイン……妖狐を見て──自身の心の中に募らせた。

コマーシャルの主人公への妬みと嫉妬心からくる、彼の心の奥底の闇……。邪念という奴で、古い昔話の絵本から呼び寄せた。西日本一帯を治める妖狐である。おさん狐を呼びよせてしまったのだ。


 だから彼女の小さくて美しい顔……。頭には、コスプレ仕様みたいな狐の耳がついているのだ。


 まあ、彼女の頭に獣の耳がついているぐらいでは、今の令和の時代では、驚愕するようなことはない。


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