第28話 夢幻? (3)

 だから隣の住人……。壁越しから『ドン!』と、壁を叩く音がセオリー通りに聞こえてきたのだよ。


 でッ、その後は、「ゴホン!」と、籍をする音も丁寧に隣の住人は、山田瞬へと無言の苦情と不満を告げてきたのだ。


 だから山田瞬は、慌てふためきながら。自身の声を殺すのだよ……。


 と、いった行動はしないようだ?


 だって彼は驚愕をした後に、自身の身体を慌てて起こすのだ。


 でッ、自身の身体を起こすと──。添い寝──。甘えながら寝ている女性へと再度荒々しく……。


 というよりも? また慌てふためきながら。


「あ、あなたは、何処から入ってきたのですか~?」


 と、訊ねるのだよ。


 う~ん、でもね~?


 山田瞬へと添い寝──。甘えながら寝ている女性は、「むにゃ~、むにゃ~」と、声を漏らすだけで。山田瞬が慌ただしく声をかけても。更に彼の身体へと抱きつき甘えながら「スウ~、スウ~」と、寝息を立てながら、眠りに入るのみでね。


 山田瞬へと言葉を返してこないのだ。



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