前のエピソード――第17話西暦２０１９年の終わり……。（15）

　だから今度は山田瞬の口の端が『ニヤリ』と吊り上がり苦笑──。

「オジサン～。そんなことには絶対にならないよ～。日本の政府や各都道府県の知事や市長もバカではないから。絶対に情報を掴んでいると思う～？　だから本当に、アメリカや中国で恐ろしいインフルエンザや未知のウイルスが流行りつつあるのならば対処してくれる筈～。絶対に外国人観光客の入国を拒否してくれると思うから～。大丈夫だよ～。オジサン～」

　と。この２０１９年の時点なら当たり前の台詞……。

　でも？　年が明け２０２０年の春先──世界中で猛威を振るい大騒ぎに今２０２０の十二月になった現時点も大騒ぎになっていることを思えば、山田瞬は大島のオジサンへと安易な台詞……。

　と、いうか？

　先見の明があった彼に対して、大変に失礼な言葉を悪態つきながら告げたことになるのだ。