第31話 最高に楽しかった!
― ずっとこの時間が続きますように ―
「引き続きコラボ配信をお送りますー」
「いやぁ、なかなか怖かったスねぇ」
「うん……でも、楽しかった……っ!」
「最後は盛り上がったっスね!次こそはわたしもクリア目指すっスよ!!」
「がんばれはわわ丸」
「ふぁ、ふぁいとはやて丸ちゃん……っ!」
「がんばるっスよー!!……さてさて、そろそろ皆の準備が出来たので、今度は3人で仲良くゲームするっスよ!」
「次やるゲームはこちら。皆ご存知Aから始まるバトロワだよ。ちなみにそれぞれの腕前は、はやて丸さんがまだ初心者。アカネちゃんがプロレベル。僕が普通かな」
「事前に何回かやったっスけど、せんぱいもめちゃくちゃ強かった感じがしたっスよ?」
「うん……雹夜さんも、凄く上手いです」
「2人の期待が重いです先輩方」
:がんばるんやで
:弱音を吐くんじゃ、ない!
:お前ならやれるやろ雹夜
:カッコいいとこ見せてほしーなー
:アカネちゃんのプレイは本当に参考になる
:アカネちゃんに全部任せよう
:アカネちゃんの1V3期待してます!!
:3人とも頑張れー!
:一回でもドン勝つ出来たらいいな
:はやて丸介護プレイ始まるか
:この配信ではやて丸が覚醒するの期待してる
:どこまで戦えるのか期待
「くそぉ、頑張るしかないぞ自分」
「まぁまぁ。気楽にやるっスよー♪」
「うんうん……楽しく、やりましょう……?」
「はーい。それじゃ、ロビーにも集まったし早速やっていきますか」
「頑張るっス!!」
「一回は、勝ちたいね……っ!」
「がんばるぞー」
「はわわ丸隊長、全然敵がいません」
「武器とアイテムは揃ってるのに、全然いないですね……」
「あっちの方から音がするっスよ!!行ってみるっス!!」
「あいよー。……あ、銃声止んだ」
「終わった後、ですね……残った部隊が、物資漁ってます」
「ここは漁夫の利っスよー!!おりゃりゃりゃりゃ!!」
「うーん、場所が悪いなぁここ」
「雹夜さんも、そう思います……か?」
「うん。……はやて丸さん?一応警戒しつつ……あー、突っ込んじゃってる」
「ど、どうします……?」
「はやて丸さーん。……ダメだ、トリガーハッピーになってるね。これ多分狙われるから先に高所取りにいこうか」
「了解、です……っ!」
「おりゃりゃりゃりゃ!!
……あっ!!やったー!!倒したっス!!どうやら1人だったみたいっスね~。
ありがたく物資はいただいて……わわわ!
う、撃たれてるっス!!どこからか撃たれてるっス!!!」
:いいぞはやて丸!!
:初キルナイス
:物資漁れ―!
:意外とエイム上手だなはやて丸。
:これは成長したら楽しみ。
:撃たれてね?
:はやて丸ーー!!まだいるぞ!!
:あかん、別部隊や
:流石に他の部隊も来るかぁ
:場所悪すぎてはやて丸一方的やん
:あー
:ダウンしたあああああああ
:あかんぞこれ……
:アカネちゃんと雹夜さんは!?
:はやて丸ちゃんがやられちゃう!!
:ひょうやぁぁぁぁぁぁ!!援護せんかああああああ!!
「ふぅ……あー、やっぱり来たか。ごめんはやて丸、遅れちゃった」
「あぅぅ……だ、大丈夫っス……それよりも、敵さん強いっスよ!!」
「みたいだね。とりあえずここで撃ち合いかなぁ」
「……あっ、1人、突っ込んできてます……」
「あー、アレは甘えてるなぁ…………よし、ダウン」
「他の2人も、バラバラですね……野良同士かも、です」
「だねぇ。ダウンした奴は先にキル取っておくか」
「……っ!雹夜さん、1人ダウンとりました……!」
「詰めるよ」 「詰めます……っ!!」
― 部隊を壊滅させました ―
「うん、いい感じ」
「ボク、はやて丸ちゃんを生き返させるので、雹夜さんは回復を……」
「了解。一応警戒しとくね」
「ほぇー……」
:なんだこの連携
:判断力はぇぇぇ
:高所取ってた時点で有利だったけど、2キル取る流れが早かったな
:アカネちゃんがめちゃくちゃ上手いのは知ってたけど、雹夜さんも十分上手いな
:俺だったら焦ってはやて丸先に蘇生してた
:敵が甘えたのもあったけど、これは上手かった
:ダウンしてからの突っ込むのが早い……俺もこれくらいの判断力ほしい
:焦って必要ない情報も言っちゃうよな。羨ましい
:二人共ナイス!!
:これはドン勝ついけるか?
その後もどんどん倒し、そしてラスト部隊。
乱戦に続く乱戦で補給もアイテムもカツカツ状態。
ここが腕の見せ所ですぜ……。
「アカネちゃん下がって回復して。
はやて丸さんはそのままそこで撃ってていいよ」
「すみません、回復が、もうない、です」
「あ、わたし持ってるっス!!えーと、えーと……」
「焦らなくてもいいよ。
アカネちゃん、一応僕の落としとくからやばかったらそっち拾って」
「ありがとうございます……代わりますっ!」
「ごめんお願い。はやて丸さん、ショットガン持ってなかった?」
「あるっス!!」
「こっちの武器と交換してもらえる?」
「はいっス!」
「ありがとう。アカネちゃん、僕ジップで突っ込むから合わせられる?」
「大丈夫、です!」
「んじゃ行くよ…………1人ダウン」
「こっちもダウンさせました……!」
「あと1人……あぁごめん、ダウンさせられた。階段で回復してる」
「了解です。はやて丸ちゃん、一緒に行こう……っ!」
「わ、わかったっス!!」
「あっ……アーマーもう回復してる……くぅ……っ!」
「むむむむ……!!あっ!アーマー削ったっス!!」
「わかった……っ!
あっ、弾切れ……ご、ごめんはやて丸ちゃん、ダウンしちゃった……」
「えー!?ど、どうするっスか!?」
「そのまま突っ込む。焦らないで、四発当てれば終わりだから」
「や、やるしかないっス!!うぉぉぉぉぉ……っ!!」
―― CHAMPION ――
「や……やったー!!やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「おぉー……これは熱い」
「やったね、はやて丸ちゃん……っ!!」
「勝てたっス!!やったっス!!!うわー!!嬉しいっス!!!」
:マジかww
:はやて丸!!?
:凄いぞはやて丸!!!
:これは激アツ
:やべぇ、鳥肌やべぇww
:よくやった!!
:うめぇww
:やったーー!!
:ナイス!!!
:ドン勝つおめでとう!!!
:すげぇ……いや、正直無理だと思ってたわ
:本当に覚醒しやがった
:うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!はやて丸…ぅぅぅぅぅぅぅ!!
:俺達のはやて丸が!!いいぞぉぉぉぉ!!
:みたかぁぁぁぁぁぁ!!これがはやて丸じゃい!!!
:これははやて丸
:めちゃくちゃ熱い展開だったな
:いやぁ、手に汗握ったわ……
正直ダウンした瞬間やべーと思ったけど、はやて丸さんの成長が早くてびっくりした。いやぁ、これこそPTプレイですよ。めちゃくちゃ楽しい。そのうちはやて丸さんも連れてランクにでも行こうかな。
その後。
「しまった、武器取られた!!はやて丸さん、一緒に殴ってくれ!」
「りょ、了解でス!!おりゃりゃりゃりゃ!!」
「ちょ、ちがう!!それ俺だ!!や、やめろはわわ丸ぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「だ、大丈夫ですか……?」
「ごめん早く助けてーー!!」
「おりゃりゃりゃりゃ!!」
1時間くらいカジュアルを3人で回し。
「はぁ……はぁ……1V3がどんなもんじゃい!」
「すごいっス!!せんぱい強いっスー!!」
「雹夜さん、強いです……っ!」
「ふははははは!!
……って、別部隊だと!?や、やめろーー!!弾無いんだぞー!?」
「ま、まるで蟻地獄っスね……」
「これは、逃げるしか……」
「くそぉ、逃げるしか……ん?」
:所詮雹夜は時代の敗北者じゃけぇ……!
「……やってやらぁ!!拳一つでできらぁ!!」
「やっぱ無理だった」
「でスよねー」
「あ、あはは……」
合計で2回ドン勝つ出来た。
時間帯が悪かったのか、人気Vtuberさんやプロゲーマーさんに当たったらしくボロボロに負けたりもしたけど、それでも悔しさはなく、3人で遊べた事が個人的にはとても楽しかった。正直、年下には苦手意識があるけど、はやて丸さんとアカネちゃん、この2人なら全然良いなぁと思えた。
「――ではでは!皆さん、またでス!!お疲れさまでスー!!」
「お、お疲れさまです……っ!!またね……!」
「また次回。皆さん、お疲れさまでした」
そして配信は無事終わり、今私達は3人で反省会をしている。
反省会とは言うが、ただの雑談だけどね。
「はふー……楽しかったでス……!!」
「凄く、楽しかったね……!」
「一番年上なのにめちゃくちゃ騒いじゃった。恥ずかしい」
「たまにはそういうのもありっスよ!!」
「うん……雹夜さん、凄く楽しそうで、こっちも嬉しかった……!」
「それならよかった。いやぁ、本当に、楽しかったね」
「またこの三人で、コラボしたい……ですっ!」
「わたしもっス!!
……お二人とも、今日は本当に、ありがとうございましたっス!!」
「こちらこそ、誘ってくれてありがとう」
「はやて丸ちゃん、ありがとう……っ!」
「……えへへ」
【わたし、今日は本当に、本当に!最高に楽しかったっス!!】
「皆さん、こんばんは。今日も配信を始めていきますね」
:おまたせ
:こんばんはー!
:今日も寝る時間がきたぞぉぉぉぉぉぉぉ!!
:仕事しながら聞きます
:こんばんはー
:仕事ニキ……おまえ……寝るのか?
:これは寝落ち確定ですね……
:明日頑張ればいいのよ()
:せやな
:雹夜さんこんばんはです!
「はーい、皆さんこんばんはです。今日ものんびり、音読していきますよー」
:待ってました。
:さて寝るか。
:すやぁ
:はえぇよww
:よかった、間に合ったー!
:今日もお世話になりやす!
:もう心がリラックスしてる
:今日は頑張って起きるぞ(全敗)
:もう素直に寝なさい
:【はやて丸も聞いてたらいいなぁ】
「……それでは、今日の童話はこちらです。タイトルは――」
童話を読みながら、3週間前のあの日を思い出す。
バカみたいに騒いで、遊んで、最高に楽しかったあのコラボの日を。
【またいつか3人でコラボするっス!!】
そんな、無邪気な彼女の言葉が今も耳に残っている。
情報系Vtuberはやて丸 @個人勢 @hayate_marumaru ✗月✗✗日投稿
ごめんなさい。しばらく、活動をお休みします。
本当に、ごめんなさい。
□840 ⇅4,192 ♡8,318 凸
【次回】
― どうして、そんなに優しくしてくれるんですか? ―
「大人だから……心配して、電話してきたんですよね……」
― わたしには、もう一つの夢がある ―
「甘えてんじゃねぇよ」
― 雹夜さんが、わたしを見捨てて、離れていく ―
「ごめんなさい……だまして、ごめんなさい……」
― 本当に、救いようのないバカだ ―
「…………たすけてよぉ……たすけてよ……せんぱい……」
ー このまま無視して、自然と終わるのが一番いいんだ ―
「勝手に1人で抱え込んで……消えようとしないでよ……!!」
「俺はいつだって覚悟できてる。お前はどうなんだ?はやて丸」
「……もうやめてよ……」
【【【友達でもなんでもないのに、わたしに関わらないで!!】】】
― はやて丸編 わたしがVtuberを始めた理由 ―
⚠ 重いお話なのでご注意。コメントあると励みになります。
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