お祭りがしたい!
秘澄
第1話 炭鉱の村からの手紙
時空を超えた冒険がひと段落し、人々が穏やかな生活を取り戻したころ、アルド、エイミ、サイラス、リィカの4人は王都にいた。
朝、バルオキーから王都に向かう親子の護衛を引き受け、魔物に襲われたり、依頼主の落とし物を探したり……
と小さなトラブルはあったものの、無事に王都に親子を送り届け、時刻はちょうど昼時。
「今日のお昼は、王都の酒場で食べていかない?」
エイミの提案にアルドはうなずいた。
「そうだな、今からバルオキーに戻ると微妙な時間だし…… 最近は、王都に来ると宿屋で食べることが多かったから、たまには酒場もいいな」
「デハ、酒場に向かいマショウ!」
「こんにちはー」
アルドがぎぃっと軋む酒場の扉を開けると、コップを磨いていた酒場の店主と目が合った。
「お、いいところに。お前ら宛に手紙を預かっているんだ」
店主は磨いていたコップを置くと、カウンターの下から一通の封筒を取り出した。
アルドはカウンターに近寄り、店主から封筒を受け取る。
「手紙? いったい誰から……」
この時代でよく使われる紙質の封筒で、特に厚みもない。ひっくり返すと、丁寧な文字で送り主の名前が書かれていた。
「マーロウ?」
「マーロウさん トいいマスト、炭鉱の村ホライの村長デスネ」
「炭鉱の村! 村人たちは元気でござろうか」
「アルド、マーロウはなんて?」
仲間たちにせかされ、アルドは手紙の封を切った。
封筒の中には、一枚の便せんがあり、宛名と同じ丁寧な文字で用件がつづられていた。
「ああ、なんでも祭りの準備を手伝ってほしいって」
アルドは手紙を読み終えると、隣にいたリィカに渡し、エイミ、サイラスと読みまわす。
「祭り! なんとも胸が高鳴る響きでござるなぁ」
手紙を読んだサイラスは、天を仰ぐようにして笑った。
⇒Next「炭鉱の村 ホライ」でマーロウに会おう!
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