『小さなお話し』 その265・・・『最後のおはなし』

やましん(テンパー)

『最後のおはなし』


 深夜の、お池のほとり


 品のない男が、ベンチに座り込みしている。


 何をするでもなく、ぼうお〰️〰️〰️〰️、としているのみである。



 若者が、4人やってくる。



『あんた、金、貸してくれよ。』



『ない。』



『ないこたないだろ。出せよな。』



『ないもん。』



『おりぁ。出せっての。』



 なぐる、ける、踏む、転がす、飛ばす、などの暴行のうえ、服や身体や、手の中身を探る。



『こいつ、何も持ってないぜ。あ、金だ。なんだ、小銭ばかりだ。〰️〰️けっ、三百円しかないぜ。』


『池、突っ込んどけ。』



 ばっちゃ〰️〰️ん。



 三百円盗んだ若者たちは、高級自動車で、消えた。



 次の日から、若者たちの前には、男の幽霊が現れるようになり、毎晩、きまって、三百円、取って行くのである。


 払わなければ、命はないと言う。


 とうとう、支払いを断った三人の若者は、次々に、行方不明となった。


 最後に、一人残った若者が、幽霊に言った。


 『おれらが取ったのは、三百円だ。あんた、取り返し過ぎだろ。』


 幽霊が言った。


 『ぼくの命は、三百円か。』 


 『いや、そうは言わないが、あんたは、三百円しか持ってなかったんだから。もし、一万くらい、もっていたら、池には落とさなかった。はい。さよなら、で、済んだんだ。』

 

 『あそ。つまり、ぼくは、三百円以上、一万円以下か。まあ、いいや。一万円出しなさい。そうしたら、二度と現れない。断るなら、ほかの連中と、同じように、お池に誘って、沈める。』


 若者は、財布から一万円出した。



 翌日、池の中から、男と、若者三人が見つかった。


 男には、暴行された痕があったが、若者たちは、無傷だった。


 男は、一万円、握りしめていた。


 残った若者は、逮捕された。


 

 三人の若者が、なぜ、池に落ちたのかが、まるでわからない。


 目撃者によれば、夜中に、ふらふらと寝たままのようにやって来たのは、ちら、と、見たと言う。


 そのあと、喧嘩の声が聞こえた。


 生き残った若者は、毎晩、幽霊が出ると言っていた。


 一万円は、自分のお金だ、幽霊に取られたと、主張した。


 

 裁判官は、こう、判断した。


『被告人たちは、なんの落ち度もない被害者を、執拗に暴行しており、反省もなく悪質だ

。さらに、本件被告人は、仲間3人を、仲間割れののち、同じ現場で殺害したことは、目撃者の証言に信憑性が高く、また、他にも、同じ時刻に喧嘩の声も聞かれていることからも、間違いはない。一万円に関しては、被害者がとられまいとして、握りしめていたと考えられる。』

 

 弁護人はうなった。


 『そりゃないぜ。被害者は、いまだに、身元不詳だ。一万円で助かるなら、渡すだろ。被告人は、手の中まで開いて見たと言っているのに、それは、無視かいな?しかも、三人はけがもないのに。』 

 

 被告人は、四人殺害した罪で、無期懲役に

なった。


 被告人は、公訴した。



  ・・・・・・・・・・・・・・・・・



『殺されたのは、裏政府が作ったコピー人間だったに違いない。幽霊も、おそらくは、その、実験体だろう。本体はどこかで、生きてるんでないかな。』


『つまり、表政府は、少なくとも連邦首相と補佐官あたりは、知っているに違いないというわけか。裁判長には、圧力がかかっていたかもしれない。』


『ああ、夢の中でね。正夢だ。現実と、非現実がつながってるんだ。映画みたいに。』


『ばっさりと、たちきらねば、地球は、征服されてしまう。』


『手遅れだろうな。』


『主犯は誰なんだ?』


『そりゃあ、作者だろ。作者の妄想が、炸裂しているんだ。謎の『宇宙心理物体』が、地球に接近している。たまたま、作者に、つながったんだ。』


『じゃあ、作者が、地球滅亡をイメージしたら…………』


『終わりだね。』


『そりゃ、止めなきゃ。』


『証明できるかい? この、作者とも、限らない。』


『いやあ。そら、難しいなあ。』


『地球滅亡をテーマにしている小説や映画はたくさんある。どれがからんでるのか、分からないんだ。』


『たしかに。じゃあ、全員逮捕。処刑。』


『むりだよ。頭のなかだけかもしれない。』


『裏政府は、知ってるんだろ。』


『裏政府自体が、妄想から、生まれているのならば。いや、この世界そのものが、妄想が生んだんだとしたら?』


『なんか、そんな、小説があったぞ。クジラが出てくるんだ。』


『ああ、人類は、クジラの夢なんだそうだ。』


『くじらさんが犯人か?』


『いや。それは、ひとつの考え方なんだ。神が全てをセットで最近、作ったとも、いわれる。終末も、そうだと考えるひともいる。』


『なにが、真実なんだ?』


『滅びればわかるさ。最後のひとりが、全てを発見するだろう。』



……………………………………………



 『結局、現実が、一番、厳しかったなあ。』 


 最後の一人が言った。


 『誰しも、自分の終わりは経験しても、最後の最後は、語れないんだ。あら、聞いてないか。人類は、何を残したのかな。なにも、解らなかった。』


 やがて、すべてが、終わった。


 個人にしてみれば、人類の終わりも、きっと、変わらない。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 『小さなお話し』が、これでおしまい、と、いうわけでは、ありません、たぶん、残念ながら。


 終わっても、大丈夫なように、いたしました、だけです。


 書きかけが、たくさんありますものですから。

 

 でも、人類を、絶滅させたので、いやあ、ちょっと、どうしようも、ないかしら?


 はとさぶろや、ねこママ、カージンゴや、ごき軍団たちが、最後まで書くように、申し入れてきております。しかし、ばらばらではありますが、おおかた、済んでおりますし。


 宇宙ごきの首領が、自分がまだ、ちらとしか、出てないと、怒っております。


 来年になって、復活する、かもしれませんが、そこは、また、やましんの、元気次第と、なります。


 なお、中途半端になってるお話しの、継ぎ足しはいたす所存であります。


 とりあえず、皆さん。ありがとうございます。


 再開まで、さようなら。

 

 

 

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『小さなお話し』 その265・・・『最後のおはなし』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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