4章『ロストエンド』

プロローグ

レイセ:主人公。

    黒戸零維世であり、クリア・ノキシュでもある。

    融合者。

    契約者。

    黒羽学園中等部生徒会長。

    美月は妹。

黒崎鏡華:プロミネンスと名乗っている。

     ルビー・アグノス。

     融合者。

     契約者。

     月と太陽の国女王にして、現人神。

     小学六年生。

     美月と友達。

     レイセと婚約している。

リビア:聖国クリアの元代表。

    案内人の時に契約して聖国クリアを設立した。

    レイセと婚約している。

黒沼直樹:ベル。

     黒羽学園高等部の数学と物理の教師。

     中等部生徒会顧問。

     融合者。

     聖国クリアの守護者。

黄山十夜:春日高校一年生。

     融合者。

     契約者。

     ファガス。

青井友介:七星学園高等部一年生。

     融合者。

     契約者。

     コナル。

『ウォーターフォックス』:本名不明。

             死兵国プロンシキの英雄。

             頬に大きな入れ墨が有る。




 ダンジョンを完全攻略した数日後、俺はマスターにその事を報告した。


 今度の開放日に『ロストエンド』に集まって欲しいそうだ。


 『フィナリスラーウム』全員だ。


 いつもの如く、リビアがいないのが寂しい。


 フレドやボーデン、クルダム、ダズやアルを差別しているつもりは無い。


 リビアは特別だ。




 開放日の午前中、まだ人が集まっていない時間。


 『ロストエンド』。


 マスターが本棚の中の一冊を奥に押し込むと、本棚が移動し始めた。


 隠された部屋が有るらしい。


 中は会議室に成っていた。


 マスターが端に座る。


 俺達も座る。




 何故か、『ウォーターフォックス』がいる。


 入れ墨野郎。


 死の匂いのする男。


 鏡華は離れようとしたが、奴は態と隣に座った。




 マスターが話し始めた。


「今日はお集りいただき、ありがとうございます」

「本日私がお話させていただきますことは、私の、全くの私情というやつです」

「頭の片隅に残しておいていただくだけで良い話にございます」

「では、お話させて頂きます」

「話は数年前、とあるところに、女の子と男の子がいました…………」









 ある夏の日。


 三、四歳の、男の子と女の子がしゃがみ込んでいた。


 二人の前には、横たわった犬が一匹。


 犬は怪我をしているようだ。


 男の子はネズミ君と呼ばれていて、女の子はミドリちゃんと呼ばれていた。


 ネズミ君が何かしゃべった後、ミドリちゃんは犬の傷に手を触れた。


 ミドリちゃんの手から出た柔らかな光が、犬をやさしく包み込む。


 数秒後、犬は起き上がり、元気に走り去った。

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