第六曲から第十曲について。


 またまた寒い一日です。明日から雪マークがちょぼちょぼついてくる週間天気を見て、「え~」な私です。今日はさっそくの本題。本編終了いたしました「流刑地音楽ホール」で取り扱った楽曲について書いてみたいと思います。前回は第五曲まで記載したので、今日は第六曲から。


 第六曲「独奏ヴァイオリンのための組曲Op.123 Ⅳシャコンヌ」。これはシンディングという作曲家のヴァイオリン曲。カクヨムでクラシックのネタのお世話になっているやましんさんから教えてもらった隠れた名曲です。シンディングって当時は人気者だったみたいですが、過大評価されていたと書かれている本もありました。ワーグナーよりの方だったのかな? ナチスのプロバガンダに利用されたせいで祖国から裏切り者って言われちゃった不運な作曲家のようですね。

 そういった経緯もあって、この曲を演奏している人が少ない。見つけるのに大変苦労しました。なんとか見つけて聞いたんですけど、これがなかなかよきかな。ということで、関口が嵐の夜に初めて蒼にヴァイオリンを聞かせるカットで使わせてもらいました。そして、コンクールの録音審査に使ったのもこの曲ということになります。


 第七曲は「歌劇 椿姫から 乾杯の歌」。言わずと知れたヴェルディの有名曲です。椿姫って悲恋で美しいイメージですが、内情は問題作ですよね。お金持ち相手の高級娼婦の話でしょう? 検閲で引っかかったんですって。だろうねえ。名曲なのにね。星音堂せいおんどうの親父三人組の飲み会に、「夜伽」で御馴染みの野原せつを当てました笑 いつものんべんだらりとふざけた親父たちに超ド級天然を入れてみると、これはこれで面白い会でした笑 ちなみに、その後の雪の反応は、「夜伽 お誕生日」で書いています。


 第八曲は「ヴァイオリン協奏曲 emoll Op.64」。クラシックを聞かない人でもお馴染み、クラシックの代表曲と言っても過言ではない名曲。メンデルスゾーンです。オケと共演されたら、どんな男子でも王子様に見えますよね~ってことで選択しました。燕尾服の関口と、師匠の柴田の共演です。ちなみにここでは、シベリウスの交響曲第2番 作品43 も使いました。シベリウスらしい楽曲です。第三楽章と第四楽章が連なって演奏されるっていうんですけど、私も区切りはわかりません。へへ。


 第九曲は「交響曲第9番 dmoll Op.125」。年末と言えばベートーベンのこれ。「第九」ですね! この曲は何度か歌いましたがね。本当にいい歌詞なんですよ。第八曲でマエストロが歌詞を口にし、そして蒼に「信仰心はあるか?」と尋ねるシーンがあるんですけど、実はあれは、私が某有名なマエストロに第九の指導を受けた時のコメントなんですよね。あれは感動しました。やはりマエストロって人種は一味違うな~って今でも思っています。

 第九曲にはアイリッシュ曲も登場しました。私ねアルゼンチン音楽とか、アイリッシュ音楽が好きなんです。プライベートで音楽祭のお手伝いをしているんですけど、そこでアイリッシュ音楽のグループがよく登場するんです。なんか心に染みるいい感じの音楽ですよね。このクリスマスシーンは映画タイタニックの影響もあるかも(書いたの十年以上前だもん)。主人公の二人が船内でアイリッシュ音楽に合わせてダンスするシーンがありました。懐かしい~。


 第十曲「無伴奏ヴァイオリンソナタ第一番 BMW1001」。音楽の父バッハの作品です。バッハの無伴奏ヴァイオリン曲と言えば、超有名なパルティータ。この曲は桜が前半に披露しておりますので、まだまだ駆け出しの関口には、別な曲をということでこれを選びました。ピアノをやっている頃、バッハが大好きでね。卒業試験もバッハを選びました。バッハは心の安寧なのです。もうね娘には「お母さんの葬式ではバッハのマタイ受難曲流してね」ってお願いしいるくらい。

 バッハはスキルがあれば弾けるけど、奏者の内面がどどーんと出てくるので、苦悩の関口にはちょどいいと思います。そしてこれくらいの曲は弾ける腕前があるということを知ってもらうためという理由もありました。彼は決して親の七光りじゃなく、実力をつけている遅咲きヴァイオリニストです。


 ということで長くなったので今日はここまで。興味のある方はぜひ聞いてみてくださーい! 

 本日、おまけ2のネタバラシ更新です! オヤジーズ編を終了して102話。さて、どうするか。明日からどうしよーかな~と悩みつつ。終わります!


「流刑地音楽ホール」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055009322552

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