第4話

そのあと、いくつか質問を受け、採血をした後、家に帰らせると袴田は言った。正直、手荒な真似で運ばれた割には、たいしたことない質問内容だった。なんだったんだろう。だがすべてが終わると、「また迎えに来る」と袴田に言われ、そのまま眠りに落ちてしまった。

 目を覚ますと、俺の部屋の布団だった。あれは夢だったのだろうかと考えながら、いつも通り、高校へ登校した。教室に入ろうとすると、「お前、大丈夫なのか⁉」と声を掛けられた。もちろん声をかけてきたのは陸だ。何のことかを聞いてみると、昨日一日、学校に来なかったらしい。学校が家に電話しても誰も出ないし、俺はケータイを持っていないので連絡できないしで、行方不明みたいな扱いだったらしい。まさかとは思ったが、あれは夢ではないのかもしれないと思った。

 1週間後、「中井君、袴田先生がお呼びです」    

                                    続く

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