第7話 とある王城にて

***???side***


「どうだ? アレは口を割ったか?」

「ダメです。全く意味の分からないことを呟いているだけです」

「そうか……」

「陛下、急ぎ失礼します」

「ディナーレ公爵! ここに来たということは例の彼は目覚めたのだね?」

「はい、陛下。医師が申すにはしばらく安静にしていればもう大丈夫だろうとのことです」

「それは良かった。で。何か申しておったか?」

「それが……」

「良い。申せ」

「はっ。例のご令嬢を穏やかに過ごせる修道院行きにして欲しいとのことです」

「…………ふむ。これはいつものお人好しかね。ディナーレ公爵はどう思う」

「私の目にはただのお人好しに見えましたね。自分の不始末だと」

「うーむ……彼とアレが繋がっていたのなら自作自演だが、繋がっていないのなら本気で彼はただのお人好しの可能性が高い、か。だがアレを上手く操ってそう見せているだけのどこかしらの間者という線も消えてはおらぬよなぁ……」

「陛下、愚考致しますに、彼が演技をしていた場合、私共には見抜けそうにないということだけは既に分かっております。ですから、本当にアレを修道院行きにしては如何でしょうか」

「なるほど。時間は掛かるが、アレが漏らすのを待つ方針じゃな?」

「はい。短期で結果を出せるよう本当に穏やかに過ごせる修道院にしてみてもいいかもしれません」

「誰かしらと接触するのを見張るわけだな。だが、これまでもアレは単独行動していた調査結果しか出なかったぞ」

「作戦が失敗した以上、協力者がいるならば消そうとする可能性は高いと思いませんか?」

「……ふむ。それが彼と繋がれば決定的か。そしてディナーレ公爵は娘の恩人に恩を返せるわけだ。一石二鳥だな。ははは」

「見抜かれておりましたか。申し訳ございません」

「良い良い。本当に彼がただのお人好しであった場合、我にとっても恩人だからの。よし、その方針で行くか!」

「「かしこまりました」」

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