銀剣のステラナイツ
銀剣のステラナイツ「紫弾のオルトリヴート」
※この感想記事には、銀剣のステラナイツより非公式データブック『紫弾のオルトリヴート』のデータ、世界観設定(ワールドセッティング:オルトリヴート)に関する情報が一部含まれています。
2021年2月7日に行われた単発セッションの感想記事です。
◆シナリオについて
今回は『銀剣のステラナイツ』より、TRPGデザインチーム「どらこにあん」様制作の、『紫弾のオルトリヴート』をフーカさん監督で回していただきました!
『紫弾のオルトリヴート』は「銀剣のステラナイツ」の非公式データブック(非公式といっても「銀剣のステラナイツ」製作者さんが作成されている)であり、ワールドセッティング「オルトリヴート」が使用できるようになるデータブックです。通常のアーセルトレイ世界では1~6層までの階層都市を舞台にセッションが行われます。しかし、この「オルトリヴート」のワールドセッティングでは、かつてステラバトルが行われ、そして敗北し、崩壊の道をたどった「第753階層」が舞台となっています。
◆ワールドセッティング「オルトリヴート」について
ステラバトルに敗北した「第753層」は滅ぶ定めの世界でした。しかし、「とある少女の犠牲」によってその崩壊は食い止められ、未だに世界と、そこに住む人々を維持し続けています。ですが、世界からも、女神からも忘れられたこの世界に残された人々は「
そこで、この「第753層」シティ・アンサングに残された人々は、かつての企業警察を母体とした「
しかしながら、
この滅びかけた世界の人々にとって、もはやそれは常識でした。そして、
ですが、
そうなってしまった時、
あなたはその時、最愛の、最良の、最高のパートナーをその手にかけることができるでしょうか? それとも、
といった、非常に切なく、悲しく、そして儚い物語。ここまで読んでびびっと来た方はぜひとも『紫弾のオルトリヴート』をその手に取ってみましょう!
▼BoothにてDL版が販売されております
https://draconian.booth.pm/items/2385992
なお、このワールドセッティングは2021年3月19日に発売される『銀剣のステラナイツ 星屑のリヴラガーデン』に収録されるそう。くぅ~~~早く読んでみたい!(ダイレクトマーケティング)
◆ブリンガー/シース紹介と感想
†東堂&ヒメル ペア
◆
男性:22才 花章:青色の薔薇
PL/たけしんさん
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtaPCrQMM
「これ以上、被害者を増やすわけにはいかない。
――だから、俺は戦わないといけないんだ」
そしてとうとう、
本当に純真というか、PC1みたいな感じの立ち回りでね……熱血というかクールなんだけど、まだまだ若くて青い、見ていて心が動かされる新鮮さをもつ青年でした。彼自身、「ヒメル」が初めての
■
女性:10才
PL/とぺ子さん
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtaPCrQMM
「ヒメル、せーぎの笑った顔が好き! そのためなら、どこまでも頑張れるの!」
●新米青年捜査官×純真純白少女の織り成す、尊くて切ない
第一章では、二人が初めて先輩捜査官の
東堂君が駆け出し捜査官ということもあって、初めて与えられた
最後に止めを刺したのが彼らだったので、こうなることは分かってはいたものの、これを間近にみるのがこんなにも辛いとは思ってもいませんでした。とてもいいものを見せていただきました、ありがとうございます……
†音無&霧山 ペア
◆
女性:18才 花章:紫色のオダマキ
PL/とぺ子さん
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYq6PCrQMM
「ありがとう、一緒にいてくれて。
あなたがいなかったら……私、こんな世界1人じゃ生きられない」
第一章では霧山を「モノ」として扱いながらも、時折見せるその崩れそうな仮面の部分が描かれていて。第二章では霧山を「大切なパートナー」として見ていて、仮面をかぶっていないあどけない少女の音無ちゃんが描かれていました。この二面性、イイっ……
■
女性:-
PL/はやみさん
「…ああ、時間なのね。 ────仕事をしましょう」
●二人の少女。二人だけの庭園で思いを語らう
第一章ではフォージをものとして扱う高圧的な音無×ただただ忠実に、合理的に動く霧山という関係性が描かれ、第二章では霧山を大切なパートナーとして見ている素の音無×感情を失いながらも、残された心の断片に従い動く霧山といった感じ。特に、音無の所有する庭園が重要なポイントとなっていて、ここでだけ音無は本来の自分へと戻り、霧山に内心をさらけ出すシーンが日常との乖離が見えて大変エモ。普段完全にモノ扱いしている音無が、庭園では本来の自分をフォージに見せるんですが、第一章でものすごく冷徹な音無を演じた後にこれだからすごいギャップがあってひきこまれましたわ……。それにこの庭園という場所の良さ! 壊れ往くフォージと、本当の自分を隠しながら戦うブリンガー。その二人を繋ぐ、二人だけの庭園。最強のシチュエーションでは……? 二人だけの空間、決してそれ以外のものは立ち入ることのできない聖域って感じで、大変に特別感があってシチュエーションの設定がうまいなぁって思いました!
二人だけの庭園で、ぽつりぽつりと語りだす音無。それにたいして、残された機能を使って言葉を紡ぐ霧山。すでに自身の機能の限界を感じ取って、それを伝える霧山に「モノ」っぽさを感じて退廃的(ただしい比喩かどうかはさておき)な美しさみたいなのを感じましたね…… ある意味正しい形へと戻っていくんで、あるべき姿なんだろうけども。東堂×ヒメルペアと非常に対照的って意味でも、とても尊いお二人でございました。美味しい。
†犬吠埼&スペースペア
◆
女性:16才 花章:黒のバラ
PL/はやみさん
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtNGxpQMM
「あなたの身体を解体(ばら)したいの。
願いが人体のどこに宿るのか、私に教えて」
ばっちり設定通りのヤベー人っぷりを第一章で展開してくれました。今回レギュレーションが
■
男性:10才
PL/とたけ
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtNGxpQMM
「仮初の心に、造りモノの躰。
誰が造ってくれといったの?
どうしてボクはここにいるの?
────ボクは一体、だれを恨めばいい?」
私PLのシース君。
で、その
●
第一章では先輩捜査官たち相手に大立ち回りを演じ、シースと諸先輩方をビビらせまくる犬吠埼。そして第二章では打って変わって二人そろってカフェでの一幕と、今にしてみれば非常に落差のあった章だったなぁと思います。特に第一章で先輩ブリンガーの首筋にはさみを突き立てたときはとんでもねぇブリンガーだないいぞもっとやれってPLは思ってました(PCは恐怖のあまり固まって、恐る恐る犬吠埼を止めようとしていた)。しかし第二章からは落ち着いている状態の犬吠崎とカフェでお茶することに。普段の狂乱とした姿ではなく、お嬢様のようなその姿にスペースは徐々に興味を持ち始めます。結果を言うと、スペースとしては犬吠埼の意外な一面を見つけ、彼女に対する感情は「恐怖」以外のものが徐々に割合を占めるように変わっていきます。犬吠埼がまったく変化せず、最初から最後までそのスタンスを貫く当たり、やはり強靭で狂人なんだなと思いました。
正直、シリアルキラーのシース……
†兎束&ティーンペア
◆
男性:35才 花章:黄色のアネモネ
PL/とたけ
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYu5LGrgMM
「終わりのない戦い、救いのない現実
一体俺たちは、幾つ“終わり”を乗り越えればいい?」
私PLのブリンガー。ブリンガーの中でも男性で今回最高齢のおじさん。第753階層がステラバトルに敗北し、その破滅の未来が決定づけられた時すでに警察官で、その後
そんな中、新たにやってきた
なお、名前の由来はアネモネの和名「牡丹一華」より一華をもらっています。また、アネモネの花言葉には「見捨てられた」「見放された」「薄れゆく希望」なんてのもあり、ちょうどピッタリな花章だったなと思います!(自己満足)
■
女性:14才相当
PL/たけしんさん
https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYu5LGrgMM
「時間いっぱいまで、楽しむよーっ!」
辛気臭いおじさんの相棒は、ちょっと大人びたJC。これ事案になりませんか? おじさんが警察官なので大丈夫です。自身がフォージであることを大切に思う少女ですが、フォージのお仕事以外は全部自分優先! のこり少ない人生を楽しもー! とすごくポジティブで明るい女の子。年相応に遊びたい盛りで、相棒である兎束はいつも振り回されては手を焼いています。でも、兎束も彼女の意志を尊重し、それにできる限り答えようとしたり……
今回、彼女の
●おじさん×JCの鉄壁年の差
第一章ではティーンに連れられ遊園地に行くシーン。遊びたい盛りのティーンに振り回される形で遊園地へと行き、彼女と共に遊ぶ兎束。かつて、大きな遊園地に行った話をしつつ、今度はその大きな遊園地に連れて行ってよね。と約束をする二人。ですが、
第二章では、だらだらしているティーンに兎束が書類整理ぐらいしろと小言をいう日常のシーンから始まります。だらだらしたいティーンが書類を書き、それを隣で即座に修正するみたいな、息の合ったコンビ感をだせたのがとても楽しかった! でも、その直後に管内でブライトが現れ、兎束とティーンのペアが出動。容疑者を
フラグメントを失ったことに激しいショックを受ける兎束に、それでもティーンは彼のことを気遣って「ごめんね、おじさん」と声をかけます。兎束はその言葉に「どうしてこんなになってまで、俺たちのことを心配する!!」と声を荒げてティーンへ、フォージへと問いかけます。彼ら彼女らは、いつだってブリンガーであるパートナーのことを心配します。でも、ブリンガーだってそれは同じで、でも世界の礎として消費されるこの歪な世界では、その思いやりがさらに心を削っていって……
兎束はティーンに、自らの拳銃を握らせて、「苦しいと叫べ、助けてと言ってくれ、恨みがましく俺らを殺せ」と懇願に近い形で彼女に問いかけるのでした。本当に、これはPCの発言というかPLの発言そのままで、この世界に消費されるすべてのフォージに向かっての言葉です。どうして彼らはあれほどまでに献身的で、純真で、パートナーの為にすべてを捧げられるのか…… 恨み言の一つも吐かれた方がまだうれしい。お前たちの為に私たちは死ななくちゃいけないと罵声を浴びせられた方がまだいい。この世界に対して、唯一贖罪を求めることができるんだと思っていました。ほんとつれぇ。
でも、これに対してティーンは「何でそんなこと言うの! ブリンガーのために生まれた……私たちの存在理由まで、否定しないで!」と怒って、彼の目の前から姿を消すのでした。この言葉は本当に兎束に突き刺さりましたね。人に模して造られた人造の生物。偽物、イミテーション、模造品。でも、フォージたちにとって、「ブリンガーの為に創られた」というものは彼らにしかないオリジナルな部分で、それを否定する兎束の言葉は許容できるものではなかったのですよね。ティーンの気持ちを理解できていなかった。自身の背負うものに押しつぶされて、何も見えなくなりかけていた……それを突きつけられた兎束は、「俺たちは、一体幾つ終わりを見届ければいい。一体何度、約束を破ればいい」と言葉をつぶやき、彼女を追いかけるのでした。
最後は無事に仲直りを果たし、最終決戦に挑むことができました。ですが、きっとそう遠くない未来、兎束はティーンの最期を見届けることになるでしょう。そのとき、彼は彼女を手に掛けることができるのか……それとも、世界の敵となって、この世界を滅ぼしにかかるのでしょうか……。
■さいごに
今回も監督を務めてくだったフーカさん、ありがとうございました!
相変わらずの対応力。別にすり合わせてもいないのに、こっちの行動に合わせてシーンや演出をしてくれる名監督! っていうか、何でサイレンの音とか突然流せるんですか? 監督っていうか舞台演出も大道具小道具も音響も何から何までできてほんとに超人ですね……まじで未来予知ができるのではないかと思う今日この頃です。
ステラナイツは滅茶苦茶楽しくて、相方とのいちゃいちゃに忙しいTRPGなのですが、監督側(エンブレイスとかのエネミー)の話が出てこないので、なかなか敵に感情移入できないっていうのがちょっと寂しいですね。それに監督もイチャイチャしたくない……? 私はしたい。と思っていたら、なんと『銀剣のステラナイツ 霧と桜のマルジナリア』にて「間奏」というフェーズが追加されていました。ざっくりいえばエネミー側の章ですね。新しいワールドセッティングも追加されてるので是非遊んでみよう!!(ダイレクトマーケティング) 毎回フーカ監督にお世話になりっぱなしなので、どこかでお礼をさせていただかなければ……
また、いつものメンツ、PL陣のとぺ子さん、たけしんさん、はやみさんもお疲れ様でした! エモエモな卓ができて幸せ……卓欲求がとても満たされます。ありがとうございました!
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