銀剣のステラナイツ

銀剣のステラナイツ「紫弾のオルトリヴート」

※この感想記事には、銀剣のステラナイツより非公式データブック『紫弾のオルトリヴート』のデータ、世界観設定(ワールドセッティング:オルトリヴート)に関する情報が一部含まれています。

2021年2月7日に行われた単発セッションの感想記事です。


◆シナリオについて

今回は『銀剣のステラナイツ』より、TRPGデザインチーム「どらこにあん」様制作の、『紫弾のオルトリヴート』をフーカさん監督で回していただきました!


『紫弾のオルトリヴート』は「銀剣のステラナイツ」の非公式データブック(非公式といっても「銀剣のステラナイツ」製作者さんが作成されている)であり、ワールドセッティング「オルトリヴート」が使用できるようになるデータブックです。通常のアーセルトレイ世界では1~6層までの階層都市を舞台にセッションが行われます。しかし、この「オルトリヴート」のワールドセッティングでは、かつてステラバトルが行われ、そして敗北し、崩壊の道をたどった「第753階層」が舞台となっています。


◆ワールドセッティング「オルトリヴート」について

ステラバトルに敗北した「第753層」は滅ぶ定めの世界でした。しかし、「とある少女の犠牲」によってその崩壊は食い止められ、未だに世界と、そこに住む人々を維持し続けています。ですが、世界からも、女神からも忘れられたこの世界に残された人々は「荒廃者ブライト」と呼ばれる異形の存在へ変貌するリスクを抱えており、それらが完全に覚醒した場合、世界は再び、崩壊へと転がり落ちていくこととなるのです。


そこで、この「第753層」シティ・アンサングに残された人々は、かつての企業警察を母体とした「都市捜査機構アンサング・ヤード」を設立。荒廃者ブライトとなりうる容疑者を捜査し、覚醒の兆しがあれば逮捕、あるいは「略式処刑バーンナウト」を行う「都市捜査官ブリンガー」の制度を導入したのです。


しかしながら、都市捜査官ブリンガーはただの人間でしかありません。都市捜査官ブリンガーは「ブリンガーとなり得た資質」をもつ者ではあります。ですが、女神の観測から離れたこの世界には、シースは現れません。ブリンガーとシース、この二人がそろって、初めて星の騎士ステラナイトとなりうるのです。


この滅びかけた世界の人々にとって、もはやそれは常識でした。そして、荒廃者ブライトを倒し、世界の崩壊を防ぎうるのは星の騎士ステラナイトしかありえないということも。だからこそ、シティ・アンサングの者たちはあらゆる技術と知識を用い、願いの結晶たる「人造のシースフォージ」を産み落とすに至ったのです。こうして、滅びの危機に瀕したこの世界にも、わずかばかりの希望が残されることとなりました。都市捜査官ブリンガー人造のシースフォージは、星の騎士ステラナイトの力を取り戻し、世界の崩壊を食い止めることとなったのです。


ですが、人造のシースフォージには致命的な欠点がありました。人造のシースフォージが生きていられるのはわずか1年間だけだったのです。そして、星の騎士ステラナイトとして荒廃者ブライト略式処刑バーンナウトしていくと、少しずつ、人造のシースフォージは大切なものを失っていきます。ブリンガーとの楽しい思い出、一緒に食べたケーキの味、共に見たあの日の夕焼け…… 1年の寿命を使い切るか、何度かの略式処刑バーンナウトを行い、全ての心の断片フラグメントを失った時、人造のシースフォージ荒廃者ブライトを超える力を持つ異形、ロアテラの似姿たる「堕ちた龍ロストブライト」となってしまうのです。


そうなってしまった時、都市捜査官ブリンガー人造のシースフォージを殺さなくてはいけません。自らの手で、自らの相棒を。

あなたはその時、最愛の、最良の、最高のパートナーをその手にかけることができるでしょうか? それとも、人造のシースフォージのために、世界の敵となるでしょうか?


といった、非常に切なく、悲しく、そして儚い物語。ここまで読んでびびっと来た方はぜひとも『紫弾のオルトリヴート』をその手に取ってみましょう!


▼BoothにてDL版が販売されております

https://draconian.booth.pm/items/2385992


なお、このワールドセッティングは2021年3月19日に発売される『銀剣のステラナイツ 星屑のリヴラガーデン』に収録されるそう。くぅ~~~早く読んでみたい!(ダイレクトマーケティング)


◆ブリンガー/シース紹介と感想


†東堂&ヒメル ペア

都市捜査官ブリンガー/東道 青義(とうどう せいぎ)

 男性:22才 花章:青色の薔薇

 PL/たけしんさん

https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtaPCrQMM


「これ以上、被害者を増やすわけにはいかない。

 ――だから、俺は戦わないといけないんだ」


都市捜査機構アンサング・ヤード所属の若き都市捜査官ブリンガー。かつて、両親を荒廃者ブライトによって殺され、自身も殺されそうになったところを星の騎士ステラナイトによって助け出された青年。それからは努力と鍛錬を積み、都市捜査機構アンサング・ヤードに入局。

そしてとうとう、都市捜査官ブリンガーとして初めて人造のシースフォージである「ヒメル」とペアを組み、星の騎士ステラナイトとして活動を始めた好青年です。正義や法を守り、正しくあることを信念に、荒廃者ブライトや犯罪者と日夜戦いを行います。

本当に純真というか、PC1みたいな感じの立ち回りでね……熱血というかクールなんだけど、まだまだ若くて青い、見ていて心が動かされる新鮮さをもつ青年でした。彼自身、「ヒメル」が初めての人造のシースフォージっていうこともあって、戸惑いながらも少しずつ距離が縮まっていくところは、本当に見ていて暖かくなるっていうか、頼むから幸せになってくれ~~~と願わずにはいられない。そんな感情を抱かせるいい奴でしたね! 本当に……


人造のシースフォージ/ヒメル

 女性:10才

 PL/とぺ子さん

https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtaPCrQMM


「ヒメル、せーぎの笑った顔が好き! そのためなら、どこまでも頑張れるの!」


都市捜査機構アンサング・ヤードによって鋳造された、少女の形をした人造のシースフォージ。この世界に生まれ落ちたときから、彼女にとっての世界とは「東堂 青義」が全て。「おいしい」ということも、「たのしい」ということも、「しあわせ」も。何もかも全て彼が教えてくれたのです。まだ生まれたばかりの彼女は、たとえ滅びかけた世界であったとしても、世界に希望を抱いています。新たに見るものすべてに心を躍らせ、幼いながらも自身の寿命と使命を理解しており、日常の些細な出来事も、宝物として扱っているのです。

都市捜査官ブリンガーである東堂くんは「絶望」のブリンガーであり、彼女は「希望」のシース。この二人の日常や、第一、第二章を見ていると東堂くんが凄惨な過去の闇に沈まずにいられるのは、ヒメルちゃんの輝きが彼を照らし出しているからなのかな、と思いました。そう思わせるほどに、ヒメルちゃんの輝きは強く、見るものすべてを引き寄せる暖かさが確かにあったのです。見ていて本当に癒され、同時に最も心に強い衝撃を与えてきた子でした。本当に尊くて辛い……


●新米青年捜査官×純真純白少女の織り成す、尊くて切ない星の騎士ステラナイト

第一章では、二人が初めて先輩捜査官の略式処刑バーンナウトを目撃し、その後先輩の相方フォージが堕ちた龍ロストブライトとなった瞬間に立ち会うシーン。第二章では、二人の日常のシーンが描かれました。そして、最後のエンディングでは今回のステラバトルで、容疑者であるブライトを彼ら二人が略式処刑バーンナウトしたため、ヒメルの身体に起きた異変を描いていました。

東堂君が駆け出し捜査官ということもあって、初めて与えられた人造のシースフォージに対してどういう風に接していくべきか、悩みながらも自身の道を歩んでいくところが最高に尊いですね……。ヒメルは東堂君のことが大好きで、自分の辿る末路についても理解したうえで、それでも彼と共に歩もうとしてくれて。東堂君もそれに答えようと、ヒメルと一緒にいろんなことを経験していきます。一緒にご飯を食べたり、いろんなものを見たり…… でも、今回のステラバトルで、彼らのペアはブライトに略式処刑バーンナウトを執行し、心の断片フラグメントの内『味覚』を失ってしまうんですよ。戦いが終わって、体に異常がないか心配する東堂君が、ヒメルをねぎらうために飴をあげるんですが、味がしなくってね。最初、東堂君は何も異常がなさそうなヒメルを見て「心の断片フラグメントの喪失は無かったんだ。きっとそういうこともあるんだ」って喜びと安堵を感じた直後に、味がしないのって。ヒメルちゃんがそう言って、東堂君は震える手でヒメルを抱きしめるんです。でもヒメルはそんな東堂君をみて「ひっかかった! 飴は飴だよっ」って東堂君に笑っていうんです。それを見学席で見ていたわけなんですが、もうね、情緒が殺されましたよね。最高に辛くて尊くて切なかった……見学席も阿鼻叫喚の嵐で、ヒメルPLのとぺ子さんがそれをみて『良い悲鳴だ』って言ったのが頭から離れません。とんでもねぇ奴だ……

最後に止めを刺したのが彼らだったので、こうなることは分かってはいたものの、これを間近にみるのがこんなにも辛いとは思ってもいませんでした。とてもいいものを見せていただきました、ありがとうございます……


†音無&霧山 ペア

都市捜査官ブリンガー/音無 杏李(おとなし あんり)

 女性:18才 花章:紫色のオダマキ

 PL/とぺ子さん

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「ありがとう、一緒にいてくれて。

 あなたがいなかったら……私、こんな世界1人じゃ生きられない」


都市捜査機構アンサング・ヤード所属の若手実力者。財閥のご令嬢であり、都市捜査機構アンサング・ヤードに対して莫大な資金援助を行っているようで、家柄と世間体の為都市捜査機構アンサング・ヤード所属に所属しています。しかし、その実力は折り紙付きで、人造のシースフォージのことを≪断頭台ルイゼット≫と呼び、冷酷無比な戦いを行うことで知られています。財閥のお嬢様ということも相まって、女王様と呼ばれているようです。ですがそれは仮面をつけた姿。本来は年相応の多感な少女で、人造のシースフォージである「霧山七海」と一緒にいる時だけは、本来の素顔を見せ、今の世界の在り方に絶望しています。

第一章では霧山を「モノ」として扱いながらも、時折見せるその崩れそうな仮面の部分が描かれていて。第二章では霧山を「大切なパートナー」として見ていて、仮面をかぶっていないあどけない少女の音無ちゃんが描かれていました。この二面性、イイっ……


人造のシースフォージ/霧山 七海(きりやま ななみ)

 女性:-

 PL/はやみさん


「…ああ、時間なのね。 ────仕事をしましょう」


都市捜査機構アンサング・ヤードによって鋳造された、少女の形をした人造のシースフォージ。他のPLのフォージと異なり、霧山は最初から相当数の心の断片フラグメントを失っています。歴戦のフォージであり、その在り方は本来の在り方である、人の形をした「モノ」に戻りつつあるようです。すでに彼女が保有している心の断片フラグメントは2個で、ブリンガーである音無の保有している庭園の一角、そこで育てられている花壇のことと、もう一つは霧山自身の願いしかもっていません。ほとんど「モノ」に近づいてしまったフォージの動きが第一章、第二章でも特に強調されて描かれていて、絶妙にブリンガーとフォージの関係、それにこの歪んだ第753階層の世界観がにじみ出ていてよかったですね…… この廃退感の中に見える美。みたいなものが非常にうまく空気に現れていて素敵でした!


●二人の少女。二人だけの庭園で思いを語らう星の騎士ステラナイト


第一章ではフォージをものとして扱う高圧的な音無×ただただ忠実に、合理的に動く霧山という関係性が描かれ、第二章では霧山を大切なパートナーとして見ている素の音無×感情を失いながらも、残された心の断片に従い動く霧山といった感じ。特に、音無の所有する庭園が重要なポイントとなっていて、ここでだけ音無は本来の自分へと戻り、霧山に内心をさらけ出すシーンが日常との乖離が見えて大変エモ。普段完全にモノ扱いしている音無が、庭園では本来の自分をフォージに見せるんですが、第一章でものすごく冷徹な音無を演じた後にこれだからすごいギャップがあってひきこまれましたわ……。それにこの庭園という場所の良さ! 壊れ往くフォージと、本当の自分を隠しながら戦うブリンガー。その二人を繋ぐ、二人だけの庭園。最強のシチュエーションでは……? 二人だけの空間、決してそれ以外のものは立ち入ることのできない聖域って感じで、大変に特別感があってシチュエーションの設定がうまいなぁって思いました! 

二人だけの庭園で、ぽつりぽつりと語りだす音無。それにたいして、残された機能を使って言葉を紡ぐ霧山。すでに自身の機能の限界を感じ取って、それを伝える霧山に「モノ」っぽさを感じて退廃的(ただしい比喩かどうかはさておき)な美しさみたいなのを感じましたね…… ある意味正しい形へと戻っていくんで、あるべき姿なんだろうけども。東堂×ヒメルペアと非常に対照的って意味でも、とても尊いお二人でございました。美味しい。


†犬吠埼&スペースペア

都市捜査官ブリンガー/犬吠埼 響子(いぬぼうさき きょうこ)

 女性:16才 花章:黒のバラ

 PL/はやみさん

https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtNGxpQMM


「あなたの身体を解体(ばら)したいの。

 願いが人体のどこに宿るのか、私に教えて」


都市捜査機構アンサング・ヤードのヤベー奴。都市捜査官ブリンガーっていうか処刑人かマッドサイエンティストといった方がいいのかもしれない。人の願いが人体のどの部位に存在するのか? その究極命題を解明するため、今日も彼女はブライトを切り刻む。シティ・アンサングきってのシリアルキラー! これは本当に星の騎士ステラナイトの紹介なのか?

ばっちり設定通りのヤベー人っぷりを第一章で展開してくれました。今回レギュレーションが都市捜査機構アンサング・ヤード所属の都市捜査官ブリンガーという設定でブリンガーを創造してくださいと展開があったのですが、そうとう難産だったようで(PL談)生まれ落ちたのがシリアルキラーの彼女だったそうです。非常にヤベー人だったのですが、スイッチが入ってないときは(?)いたって普通のお嬢様然とした一般人にみえるのがより恐ろしい。平然とフォージすら切り刻むと言われて相方の子はびくびくしていました(私のシース)。他のキャラクターとはマジで異色のペア、ブリンガーでした!


人造のシースフォージ/スペース

 男性:10才

 PL/とたけ

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「仮初の心に、造りモノの躰。

 誰が造ってくれといったの?

 どうしてボクはここにいるの?

 

 ────ボクは一体、だれを恨めばいい?」


私PLのシース君。都市捜査機構アンサング・ヤードにて鋳造された人造のシースフォージ。造られてからまだ日が浅く、鋳造時にインプットされた基本情報以外はほとんど持っていない空白のフォージくんです。因みに名前「スペース」の由来は「 」(空白)という意味と、ラテン語の「希望」という二つの意味を込めています。彼のこれからの人生(1年余りだけど)が、どのようなもので満たされるのか? 「絶望」のシースだけど、せめてその短い生の間は希望を抱いてほしいと願って。

で、その配属先コンビがまさかの犬吠埼。スペース君大変そうですね、頑張っていただきたい。実際、第一章では犬吠埼に対し抱く感情は「恐怖」がメインを占めていましたが、第二章からはその人となりを見て、理解できない、と思いつつも少しずつ興味を抱いていく様子を描いています。しかし、シリアルキラーの心理を理解しても大丈夫なのか……? 大抵、ブリンガー・シースの関係はプラスの感情によって繋がれていますが、こちらはマイナスの感情(犬吠埼から見たら+でも-でもなさそう)という異色のスタート。さて、どうなる……?


博士ブリンガーの異常な愛情こころ または私は如何にして心配するのを止めて実験彼女の心を愛するようになったか?

第一章では先輩捜査官たち相手に大立ち回りを演じ、シースと諸先輩方をビビらせまくる犬吠埼。そして第二章では打って変わって二人そろってカフェでの一幕と、今にしてみれば非常に落差のあった章だったなぁと思います。特に第一章で先輩ブリンガーの首筋にはさみを突き立てたときはとんでもねぇブリンガーだないいぞもっとやれってPLは思ってました(PCは恐怖のあまり固まって、恐る恐る犬吠埼を止めようとしていた)。しかし第二章からは落ち着いている状態の犬吠崎とカフェでお茶することに。普段の狂乱とした姿ではなく、お嬢様のようなその姿にスペースは徐々に興味を持ち始めます。結果を言うと、スペースとしては犬吠埼の意外な一面を見つけ、彼女に対する感情は「恐怖」以外のものが徐々に割合を占めるように変わっていきます。犬吠埼がまったく変化せず、最初から最後までそのスタンスを貫く当たり、やはり強靭で狂人なんだなと思いました。

正直、シリアルキラーのシース……星の騎士ステラナイトとして成立するのか? と若干不安に思いましたが、「何者にも染められる存在」としてスペース君をうごかして何とかマッドサイエンティストで精神汚染させようとしてみました。難しいぜ! この二人の行く先には破滅しかなさそうな気がしますが、なんというかポジティブな破滅へ向かいそうな気がします。伝わるかどうかわかんないけどFate/Zeroのキャスター陣営みたいな。きっとスペース君が終わるときには、彼は自らの臓腑から「希望」を見出して犬吠埼に託してくれると信じましょう。


†兎束&ティーンペア

都市捜査官ブリンガー/兎束 一華(うづか いちか)

 男性:35才 花章:黄色のアネモネ

 PL/とたけ

https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYu5LGrgMM


「終わりのない戦い、救いのない現実

 一体俺たちは、幾つ“終わり”を乗り越えればいい?」


私PLのブリンガー。ブリンガーの中でも男性で今回最高齢のおじさん。第753階層がステラバトルに敗北し、その破滅の未来が決定づけられた時すでに警察官で、その後都市捜査機構アンサング・ヤードへと組織が変わった後は、都市捜査官ブリンガーとして活動を続けているベテランの刑事です。人造のシースフォージが現場に配属され始めた運用初期のころから捜査官を続けており、すでに何人もの人造のシースフォージを看取り、その手に掛けています。人を守るための警察官が、いつの間にか人を駆り立てる側の処刑人となり。自らが盾となるべきはずが、人造のシースフォージたちを犠牲に生きながらえている自分とこの世界に対して深い絶望を抱いているようです。すでに彼の精神はボロボロで、これまで手にかけてきた人造のシースフォージへの贖罪と義務感でやっと立っている感じ。

そんな中、新たにやってきた人造のシースフォージのティーンと出会い、彼の抱える絶望はさらに深みを増していき……というのを第一、第二章でやらせていただきました! 闇!!

なお、名前の由来はアネモネの和名「牡丹一華」より一華をもらっています。また、アネモネの花言葉には「見捨てられた」「見放された」「薄れゆく希望」なんてのもあり、ちょうどピッタリな花章だったなと思います!(自己満足)


人造のシースフォージ/ティーン

 女性:14才相当

 PL/たけしんさん

https://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYu5LGrgMM


「時間いっぱいまで、楽しむよーっ!」


辛気臭いおじさんの相棒は、ちょっと大人びたJC。これ事案になりませんか? おじさんが警察官なので大丈夫です。自身がフォージであることを大切に思う少女ですが、フォージのお仕事以外は全部自分優先! のこり少ない人生を楽しもー! とすごくポジティブで明るい女の子。年相応に遊びたい盛りで、相棒である兎束はいつも振り回されては手を焼いています。でも、兎束も彼女の意志を尊重し、それにできる限り答えようとしたり……

今回、彼女の心の断片フラグメントは全て揃っている状態でスタートしていますが、第一章、第二章で失わせるシーンを描いています。めっちゃつらかった。あんな悲しい気持ちに苛まれるとは思ってなかったので、もっと大切にしてあげればよかった……つらい。おじさん×JCという年の差組み合わせでしたが、いろいろ背負ってしまった人と、それを察しつつもポジティブに生きようとする少女っていうのが見れてとても尊かったです。ありがとう、ティーン……。


●おじさん×JCの鉄壁年の差星の騎士ステラナイト! 

第一章ではティーンに連れられ遊園地に行くシーン。遊びたい盛りのティーンに振り回される形で遊園地へと行き、彼女と共に遊ぶ兎束。かつて、大きな遊園地に行った話をしつつ、今度はその大きな遊園地に連れて行ってよね。と約束をする二人。ですが、心の断片フラグメントを喪失し、“楽しい”という感情を喪失した彼女と共に訪れた遊園地は、まるで色あせた写真のように見えてしまうのでした。大きなジェットコースターも、観覧車も、何度乗っても楽しいと感じることはできません。それに、あの時の気持ちさえも、今ではどんなものだったのかわからなくなってしまいます。ちょうどこの第一章、トップバッターで兎束&ティーンペアが舞台に上がったのですが、とりあえずフラグメント一個消費したことにしてみよっかって話してやった結果、滅茶苦茶辛いことになりました。兎束は、今までのフォージたちのように「また、私は守れもしない約束をしてしまった。私はいつまで約束を破り続ければいい?」と傷をより深くし、ティーンは「いままでみんな、みんなこんな気持ちになってたのかな」「おじさんは、こんな私たちフォージを、何人も見てきたのかな」と思ったり。もうお互いにお互いを大切に思ってるがゆえに、二人とも傷ついて……もう見てらんないわ!!!!

第二章では、だらだらしているティーンに兎束が書類整理ぐらいしろと小言をいう日常のシーンから始まります。だらだらしたいティーンが書類を書き、それを隣で即座に修正するみたいな、息の合ったコンビ感をだせたのがとても楽しかった! でも、その直後に管内でブライトが現れ、兎束とティーンのペアが出動。容疑者を略式処刑バーンナウトすることに。一仕事を終え、ティーンの身体に何の異常もないことにほっとする兎束ですが、つかれた体で署にもどり、疲れたろうからティーンは休んでもいいと伝えようとしたところ、書類整理をしようとするティーン。ティーンは“だらだらしたい”という欲求を失っていたのです。はたから見たらいいことに見えなくもないですが、欲求を失うって滅茶苦茶恐ろしくて悲しいんですよね……今まで見てきた人が全然違う人に変わっていく瞬間がここまで辛くて恐ろしいとは……

フラグメントを失ったことに激しいショックを受ける兎束に、それでもティーンは彼のことを気遣って「ごめんね、おじさん」と声をかけます。兎束はその言葉に「どうしてこんなになってまで、俺たちのことを心配する!!」と声を荒げてティーンへ、フォージへと問いかけます。彼ら彼女らは、いつだってブリンガーであるパートナーのことを心配します。でも、ブリンガーだってそれは同じで、でも世界の礎として消費されるこの歪な世界では、その思いやりがさらに心を削っていって……

兎束はティーンに、自らの拳銃を握らせて、「苦しいと叫べ、助けてと言ってくれ、恨みがましく俺らを殺せ」と懇願に近い形で彼女に問いかけるのでした。本当に、これはPCの発言というかPLの発言そのままで、この世界に消費されるすべてのフォージに向かっての言葉です。どうして彼らはあれほどまでに献身的で、純真で、パートナーの為にすべてを捧げられるのか…… 恨み言の一つも吐かれた方がまだうれしい。お前たちの為に私たちは死ななくちゃいけないと罵声を浴びせられた方がまだいい。この世界に対して、唯一贖罪を求めることができるんだと思っていました。ほんとつれぇ。

でも、これに対してティーンは「何でそんなこと言うの! ブリンガーのために生まれた……私たちの存在理由まで、否定しないで!」と怒って、彼の目の前から姿を消すのでした。この言葉は本当に兎束に突き刺さりましたね。人に模して造られた人造の生物。偽物、イミテーション、模造品。でも、フォージたちにとって、「ブリンガーの為に創られた」というものは彼らにしかないオリジナルな部分で、それを否定する兎束の言葉は許容できるものではなかったのですよね。ティーンの気持ちを理解できていなかった。自身の背負うものに押しつぶされて、何も見えなくなりかけていた……それを突きつけられた兎束は、「俺たちは、一体幾つ終わりを見届ければいい。一体何度、約束を破ればいい」と言葉をつぶやき、彼女を追いかけるのでした。

最後は無事に仲直りを果たし、最終決戦に挑むことができました。ですが、きっとそう遠くない未来、兎束はティーンの最期を見届けることになるでしょう。そのとき、彼は彼女を手に掛けることができるのか……それとも、世界の敵となって、この世界を滅ぼしにかかるのでしょうか……。



■さいごに

今回も監督を務めてくだったフーカさん、ありがとうございました!

相変わらずの対応力。別にすり合わせてもいないのに、こっちの行動に合わせてシーンや演出をしてくれる名監督! っていうか、何でサイレンの音とか突然流せるんですか? 監督っていうか舞台演出も大道具小道具も音響も何から何までできてほんとに超人ですね……まじで未来予知ができるのではないかと思う今日この頃です。


ステラナイツは滅茶苦茶楽しくて、相方とのいちゃいちゃに忙しいTRPGなのですが、監督側(エンブレイスとかのエネミー)の話が出てこないので、なかなか敵に感情移入できないっていうのがちょっと寂しいですね。それに監督もイチャイチャしたくない……? 私はしたい。と思っていたら、なんと『銀剣のステラナイツ 霧と桜のマルジナリア』にて「間奏」というフェーズが追加されていました。ざっくりいえばエネミー側の章ですね。新しいワールドセッティングも追加されてるので是非遊んでみよう!!(ダイレクトマーケティング) 毎回フーカ監督にお世話になりっぱなしなので、どこかでお礼をさせていただかなければ……


また、いつものメンツ、PL陣のとぺ子さん、たけしんさん、はやみさんもお疲れ様でした! エモエモな卓ができて幸せ……卓欲求がとても満たされます。ありがとうございました!

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