第12話

学校を辞める宣言をしてから1週間ほどが経ったある日。

今日は、日曜日ということもあり、たまにはこの幼女二人とどこかへ行くことにした。

「――えっ?いまから、楽しい所に行く......ですか?」

「うん、たまにはどこかに行ってもいいかなって」

「あ、なるほど!楽しみですっ!」

自宅にて。

俺は今、朱莉の部屋にてこれからどこかにいくから準備してくれという事を言いに来た。

「そ、それで、どこに行くんですか?」

「うーん......朱莉は、どこ行きたい?」

「私ですか......じゃあ、秋葉原とかどうですか?」

アキバ......なるほど。

「あ、ああ......でも、結構遠いんだよなそこ。というより、そもそも一回も行ったことないしな......」

「あ、私は一回ありますよ」

へぇ、まじか......小学生ながらにして、アキバには行ったことあるんだな。

「じゃあ、秋葉原かな」

「はい!それじゃあ、ちょっと準備しますね」

「はいよ」

朱莉の部屋を後にした俺は、リビングへと向かった。

「んにゃぁ......あう?」

「......お前は猫かよ」

「んふふっ、それでどうしたの?」

リビングにつくと、そこにはソファーで寝転がっているゆあがいた。

しかも、ちょっと下着が見えるという。

俺はソファーに座ると秋葉原について言い出した。

「ええと......これから、秋葉原行くんだけどどうかな?」

「ん......ふぁぁ......秋葉原?」

かわいい声と共に欠伸をしながら言うゆあ。

「いいけどー、でもなんでー?」

そして、俺にくっつきいて言うゆあ。

「朱莉が秋葉原に行きたいって言うからさ」

「ふーん、そうなんだ。お兄ちゃんが行くなら、私も行ってあげるー」

「行ってあげるっていうか、一緒にだろ」

「細かいことは気にしないのー」

「............まあ、いいけどさ」

そして、俺の膝に乗ってくるゆあ。

「というか、今日はどうしたんだよ?」

「ん?何がー?」

「いや、その......そんな積極的な子だったかなって」

「あー......お兄ちゃんだったら、こんなことしても大丈夫かなって」

ゆあは俺の膝上で寝たりする。

「......好きなだけどうぞ」

俺はなすすべがないと思い了承をすると。

「やったー」

俺はゆあに好き勝手されるとは。


そんなこんなで午後。

俺たちは、近くの駅から新幹線で秋葉原へと向かった。

「わぁぁ......」

新幹線の席では、俺の隣にいたゆあがそんな声を出しながら外を見ていた。

「そういえば、ゆあは新幹線乗ったことないもんねっ」

「うん、初めて!」

幼女二人の会話の中、俺は秋葉原についたら何をしようかと考えていた。

秋葉原というと、オタクの文化がすごいとどっかで聞いたことがあるが、はたしてそうなのか。

それと、秋葉原に行ったとして何を買ったらいいのかが分からない。そもそも、何が売っているのかすら分からない。

まあ、強いて言うなら......フィギュア的なものを買おうかな......。

始めて行く所っていのは、ワクワクが止まらないもんなんだな。

ふぅ......とりあえず、着いたときに考えればいいか。

「お兄ちゃんー、ちょっと寝さて......」

「え?......あ、ああ、いいけど......」

すると、隣にいたゆあは俺の膝の上で寝ることにしたようだ。

「ふふっ......こうしてみると、寝顔はかわいいですね」

「そうだな......」

ゆあは俺の膝の上ですぐに寝ると、朱莉がそんなことを言い出した。

「朱莉は、秋葉原に行ったらなんか欲しいものでもあるの?」

「あ、そうでした、欲しいものと言うよりは、悠真さんに見てほしい物があるんです」

見てほしい物......?それは何だろうか。

「まあ、現地に着いたら見せてあげますよ」

「うん、分かった」

「あは......おいひそう......」

「......こっちは、何の夢見てるんだが」

俺は、ゆあの寝言なんかを聞きながら、窓の外を見ていた。



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