第11話 召喚獣たち
「糞親父とやらとなに話したんだよ」
あと少しで部屋に着くというところで、青つなぎが突然聞いてきた。
「……気になるのか?」
「一応な」
こいつは知りたがりなのだろうか。そう思いながら別に減ることでもないな、と考え、親父が言ったことを、そっくりそのまま言ってやった。
「なんてやつを召喚した。高級でもあの様な召喚はあり得ないぞ。貴族の者たちに、かすり傷を負わせて。お前なら高級のドラゴンを召喚してくれるのだと思っていたのに。神級という訳のわからないものを召喚しおって、これなら中級の方がまだましだったな。とにかく、あいつらに私たちに恥をかかせないように躾をしろ。いいな。と言われた」
言ったことを聞かれると、二人は黙ってしまった。親がこのようなことを言うとは、思っていなかったのだろう。
「……お前、そんなこと言われて悔しくないのか?」
青つなぎが怒りを込めた言い方で言ってきた。俺は「もう慣れた」と一言言って、着いた自室の扉を開け入った。
俺の部屋にはソファが二つ、中央にテーブルが一つある。俺は別の近くに置いてある、自分の机にある椅子に座った。
「お前ら、そこのソファに座れ」
そういうと二人は顔を見合わせ、向かい側になるように座った。
「さて、先にお前たちの名前を教えてもらおうか? 名前がわからないと色々と面倒だからな」
目の前で手を交差し、俺は二人に向かって言った。それを聞いた着物は口を開け、名前を言おうとしたが、青つなぎが先に声を出した。
「名前より先にこの世界のこととお前の名前を教えろ、名前はそれからだ」
と偉そうに、俺に向かって言ってきた。こいつはリーダー的存在をどこかでしていたのだろう。そうでもなければ、真正面からこういうことは言わない、面倒な奴だ。
俺は再度ため息をつき、こいつらを見て、話を始めた。
「俺の名前はリョウバ、一応時期王だ。この世界はお前たちのいる世界から、ずっと未来の世界だ。千年前に古代文明を発見してから急速に発展をした。古代文明には術が書かれていた。その術は獣、つまり召喚獣を呼びだすものだった。それを見た者たちは書かれていた術を生活に適用し、平和に暮らそうという考えをして、この時代が始まった」
二人は真剣な表情をして俺を見ている。
「そしてその召喚が馴染んできた今、俺が召喚をしたのがお前たちという訳だ。だがお前たちは普通ではあり得ない存在だ。人間が召喚できるなどということはまずありえないからな。ま、そんなところだろう」
俺が話した内容をちゃんと理解しているか不安だが、さっさと俺は話を進めたい。二人を指さした。
「次はお前たちの番だ」
そう言うと二人は顔をみあわせ、アイコンタクトをとったのか、着物の奴が話を始めた。
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