JSに無事お友達ができた件について
僕は翌日一人で図書館に行った。
まあ僕は図書館に誘う友達なんていないし、新たに誰かに話しかけることだってしなかった。
だけど、昨日会った小学生の女の子は、きっとちゃんと図書館に友達を連れてこようとしただろう。
話している限り、明らかに真面目だったし。
僕は昨日と同じ場所の自習スペースに向かう。
そこにたどり着く前に、僕は自分が負けたことを知った。
小学生の女の子は、二人の友達と楽しそうに本を読みながら静かにおしゃべりをしていた。
よかった。
昨日一日で優しい女の子だとわかったくらいなので、周りの人に話しかける勇気さえあれば、こうなるとは思っていた。
だけど、昨日はなぐさめられたいしなぐさめたいと思っていた女の子が、今日は楽しそうに友達としているのを実際に見ると、すごく安心して、自分に関しては何も変わってないのに、嬉しかった。
「お、お友達連れてきたんだね」
僕は話しかけた。
女の子は笑ったままこちらを向いて、僕が一人であることを確認した。
「お友達、連れてこれなかったんですか?」
「そうだな、連れてこれなかったな。というわけで僕は負けだ」
「じゃあ、私の勝ち、ということでいいのでしょうか?」
「もちろんそうだね」
「……あの、絶対あなた、いつかお友達も彼女もできて楽しくなると思うので、頑張ってください」
「あはい……」
僕は小学生の女の子に応援されてしまった。
まあでも今のセリフの最後は、その通りだな。
僕もこの小学生の女の子に習って、少しは人付き合いを回復する努力をしようと思う。
僕は特に何か話すこともなく、静かに自習スペースを去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます