新説 桃太郎
山井さつき
第1話 プロローグ
「お婆さんが洗濯機使ってたらどうなってたんだろう。」
「...何の話?」
「桃太郎。桃はそのまま流れていくのかな?」
「んー、分かんない。」
「そのまま流れて海に出て、どこか見知らぬ大陸に着いて、桃太郎王国なんかを築いてたら面白いのになぁ。」
「多分、それはないと思うよ。洗濯機があるならダムとかもあって、どこかで止まるんじゃない?それに海を漂ってる間に桃は腐っちゃうし。そもそも見知らぬ大陸なんて、どこにあるのさ。」
「君のそういう理屈っぽい所、嫌い。」
「あぁ、そう。」
「怒ってるの?」
「怒ってないよ。」
「ほんとに?」
「ほんと。」
「ほんとのほんと?」
「ほんとのほんと。」
「ふーん。じゃ、きびだんごがなかったら?イヌ、サル、キジと友達になれなかったのかな?」
「んー、多分、桃太郎はとても友好的な人なんだよ。だから、きびだんごがなくても三匹と友達になれたと思うよ。」
「なにそれ。やっぱさっきの怒ってる?」
「さぁ。」
「もういいっ。」
「ん。」
「でも想像するのって楽しいねっ。」
「...ん。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます