S×M

「ん、あっ……!」

「ほら、ここ?」

「うっ……!」


圭吾さんが顔を歪ませて、声にならない声で私に答える。そんな圭吾さんを見て、私の口端は思わず上がる。


「ほら、ちゃんと気持ちいいところ、言わなきゃ分かんないよ。」

「っ!」


圭吾さんに跨って、言葉でも攻める。


「とも、み……!」


涙目で懇願する圭吾さんの表情は、たまらない。


「ここ、なの?」


ギイッとベッドが軋む。


「ふう……っ。」


私は可愛い圭吾さんを、指や言葉で攻め続ける。


「とも、み。もう、いい、よ!」


圭吾さんがギブアップの言葉を発しても。


「まだダーメ。」


私はそれを許さない。圭吾さんの硬くなっている部分をゆるゆると触ってみる。


「ここ?」


私はニヤッと笑いながら、圭吾さんにそう問いかける。


「ともみ、もう勘弁してくれ……っ。」

「ヤーダッ。」


私は容赦なく、圭吾さんを攻める。


「……っ!」


圭吾さんの歪む顔を見るのが、楽しくてたまらない。


「はぁっ。はぁっ。」


圭吾さんの息があがってきた頃に私はようやく満足感をえる。


「はい、終了!」


私は圭吾さんへの攻めの手を止めた。


「……ありがと。」

「そんなに痛かった?」

「痛気持ちよかった……。」

「なら良かった。」

「でも手荒すぎる。」


 ベッドでうつ伏せになっている圭吾さんは、肩で息をしながらゆっくりと身体を起こした。


「マッサージ頼んだの、圭吾さんでしょ。」


そう。私は圭吾さんに背中と肩のマッサージを頼まれて、施してあげていた。仕事で疲れている圭吾さんの凝りは半端なくて、ついつい力が入ったのだ。


「ていうか、ともみ人格変わりすぎ。」

「そう?」


いつも圭吾さんに攻めるっていうことがないから、ついつい楽しくなっちゃった。ちょっと攻めすぎたかもしれないけれど。


「じゃあ、もっと攻めてもらおうか?」

「え?」


気づいたら私の体は反転して、私に覆いかぶさる圭吾さんで視界が一杯になっていた。


「俺を攻めるともみ。すっごい興奮したよ。だから、もっと攻めて。な?」


ニヤニヤと口端をあげながら、そう言う圭吾さん。


「んっ。」


私の返事を待たずに、濃厚な口づけを浴びせられた。


「ほら。ともみ。もっと攻めて。」


だけど、そっちの主導権を握っちゃうのは、やっぱり圭吾さんなのだ。


「ともみ。もっと。」


私に“攻めて”と言いながら、私を攻める圭吾さんには敵いません。


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