エピローグ

「るん。」


今日も楽しく鼻歌を歌いながら、朝ご飯の後片付けをする。


「ともみ。今日はどこに行こうか。」


目じりに皺を寄せるあなたが、今日の予定を催促する。


「今日はきっと桜が綺麗だから。」


私は窓の外を見ながら、お花見の提案をする。天気も良いから、きっと気持ちがいいはずだ。


「よし。じゃあ、カメラを持っていこう。」


デートとなるとすぐに張り切るあなたは、カメラの支度を始める。お洗濯物を外に干したら、準備はOK。


「じゃあ、行こうか。」

「うん。」


差し出された皺だらけのあなたの左手を右手で握る。私の手ももう、皺だらけ。


「今日は暖かいなぁ。」

「圭吾さんの手も、温かいよ。」


そうやって今日も、私達は手を繋いで歩く。






右側のあなた  【完結】


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