第25話 そして、ついに

きららは決意したその日から変わった。

市の就職支援施設を訪れたり、業界について調べたりした。

職業柄、幸い昼が空いてることもあり比較的スムーズに活動は行えた。


「きらら、最近頑張り過ぎてないか?少し休みなよ。」


僕の出したお茶をグビって飲んだ後、きららは言った。


「ダメ。もう少しで上手くいくからさ。」


そう言った彼女の顔はとても明るく澄みきっていて、僕は止める気になれなかった。


そんな毎日が続き、数週間が経った。

そして、ついに。


「お兄さん、決まったよー!」


吉報が届いた!


「おめでとう!きらら!」


僕も涙が……いや、僕の方が嬉しくて泣いてたのかもしれない。

情けないな……僕は。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る