本作品は短編でありながら、全体の構成がとても良く出来ていると感じました。
本作品は主人公が兄に対して恋をしていて、しかし兄は別の人のことが好きであるという関係から始まります。
その上で物語冒頭で、主人公がどんな人物で、どんな思いで、兄に恋をしているのか。
そんな等身大の思いが冒頭にて、素敵な文章で語られます。
そうやって主人公に存分に感情移入した後に、別の相手に嫉妬をしたり、恋を打ち明けたくなったりなどの主人公の感情の動きや展開がされるので、とても自然に物語を受入れられます。
また文章全体がとても綺麗です。素敵な表現が散りばめられていて、物語の雰囲気をしっかり感じることが出来ました。
とても素敵な作品でした!