Fラン大学出身の俺が異世界で賢者になるまで

騎士星水波

第1話



 「あのクソ上司めええええええええええええええええええ」



 俺は、1人吼えていた。



 「お客さん、他のお客さんの迷惑だよ」



 そんな俺をなだめるマスターがいた。


 俺は、バーのカウンダ―で飲んでいた。1人で。悲しいが1人で飲んでいた。


 バーは他のお客さんに迷惑とマスターが言っているが俺以外にお客の姿は見えない。そもそもこのバーはかなり路地裏に位置していて俺も今回初めて入ったお店であった。このお店を知っている人はかなりの穴場好きということになるのだろう。


 俺も穴場として見つめることができてうれしかった。


 だが、1人だ。



 「なあ、マスターどうして世の中は理不尽なんだと思う?」



 「そりゃあ、この社会は学歴社会だからね。いい大学を卒業していなければやっていけないんだよ」



 「ちっ、どこでも学歴、学歴って何だよ。頭が悪い奴は社会のごみかよ」



 俺は、マスターの言葉に悪態をつく。



 「どうやらかなり酒が回っているようだね」



 「はぁあ? 全然回ってねえし。むしろ、ここから本番になるぐらいだし」



 俺は、マスターの言葉を否定する。マスターは俺みたいな客になれているのか軽くあしらう。



 「はいはい。じゃあ、これでも飲んでおいてね」



 俺は、マスターに何か渡される。



 「マスター、これは何?」



 俺は何のお酒なのかわからずに聞き返す。


 見た目だけではお酒の種類が分からなかった。こんなのは初めてだ。



 「飲んでみればどうですか?」



 マスターは俺にのむように促してきた。


 まあ、断る理由もないので俺は一口飲んでみる。ちょびっと。すると、



 「うまい」



 今まで飲んだことのない味であった。初めて味わったお酒だ。しかも、いいように酔う。かなりいいアルコール度数のようだ。



 「お客さんが満足してくださりかなりうれしいですよ」



 マスターがご満悦のようだ。


 俺はこのお酒が何なのかまったくわからないがかなりおいしく飲むほしてしまった。


 のど越しもいい。


 度数もいい。


 かなりいいお酒だった。



 「ふふふ」



 マスターが不思議と笑っている。



 「マスター、どうしたんですか?」



 「いやあ、愉快ですよ」



 「愉快?」



 マスターの言っている意味がわからなかった。


 俺も酔っているのかな。


 それに何だかどんどんと眠くなっているような。


 俺のまぶたがかなり重くなっていた。



 「な、何だかどんどん眠くなってき、た……」



 「お客さん、いい夢を」



 マスターのその言葉を最後に俺の意識は途絶えた。

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