第187話 日の本一の勇者軍団
8号艦から出航した小型船、そう勝頼が以前、
ちなみに潜水艦となんも関係ないじゃん、と勝頼が言っていたがお市は全く気にしていなかった。金谷のおばあちゃんを思い出していたのかもしれない。
島左近はもう一度、
「ここにお市様がいらっしゃる事を知らないと思われる兵が攻撃を仕掛けてきておる。これよりお市様を再び甲板に出す。直ちに攻撃を止めるように」
返事はなかった。左近は自らがお市を連れて甲板へ上がった。
弾を撃ち尽くした8号艦の
海上で
「恐らく今頃は海上に敵の目が集中しているだろう。仕掛けるぞ!」
まず、
2隻の
島左近は船の底の方から爆発音を聞き、
「しまった、海上は囮か!皆の者、ここは任せる。風魔よ、付いて来い」
甲板にお市と甲賀者5名を残し、爆発音の方へ向かった。
海中から侵入した海軍兵はまっすぐに艦橋へ向かった。勝手知ったる
その時、外で爆発音がして一瞬気を取られた隙に、海軍兵の雪風が火を吹いた。島左近は肩を撃ち抜かれ、風魔は前側にいた者を盾にしたが5人が死んだ。残った風魔は苦無と桜花散撃もどきを海軍に向かって投げた。
「え、これって」
「急げ、
慌てて小山城攻めで使った盾を組み立てたが量が足らず10名が死傷した。生き残った者で風魔を仕留めようとしたが、誰もいない。島左近を連れて引いたらしい。
「あれが風魔か?恐ろしい奴等だ。見事な引き際だ。このまま突っ込んでもやられるだけだな。支援を待つか」
「いや、そんな時間はあるまい。先程の爆発音、もしかしたら
「あれは真・鬼神七兄弟しか操縦できんぞ」
「誰か戻ったのではないか?だとすれば船の外と中、両側から攻めるべきだ。仮に違ったとして我らが死んでも誰かがお市様を助けるだろう。我らは武田海軍、日の本一の勇者軍団だ」
「そういえばお市様が言ってたな、この厳しい訓練の先にあるもの。それが武田海軍、日の本一の勇者軍団だと」
「行くぞ!」
「おう!」
先程の爆発音は何だったのであろうか?そう、海軍兵の予想通り
光太郎と弦は
そして、
大阪城からは浅野長吉率いる一万の軍勢が海岸に向かって進み始めていた。大阪城の堀からは多数の小舟が現れ同じように海を目指していた。秀吉はそれを大阪城から見ていてふと空に浮かぶ2つの物を見つけた。
「あ、あれは気球か?勝頼め、あんな物まで作っておったのか」
兵に気球が動いたら教えるように見張らせた。あんな物、近づいて来たら撃ち落としてくれる。だが、それ以上に気になるのが海上の動きだった。遠目には何か煙が上がっているように見える。急げ、急げよ長吉。
大阪城東側では大軍が入り乱れていた。その中を信勝本陣へ向かう小集団がいた。
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