歴史オタが武田勝頼になったら天下が取れるのか?

Kくぼ

第1話 家康の最後(プロローグ)

 三方ヶ原の戦い。武田軍は浜松城を無視して西上。若き武将徳川家康は馬鹿にされたとムキになり追い討ちをかけた。


 ところがどっこいしょ。それは作戦で待ち構えていた武田軍に蹂躙され、浜松城まで命からが逃げ帰った家康。


 そう、ここで取り逃したんだよ。ここでとどめ刺しておけば良かったのに。


 歴史を知る転生勝頼はここで、策を出す。


「お屋形様、徳川は風前の灯、この勝頼が浜松城を落としてまいります」


「ならん、徳川ごとき放っておけ、それに死に物狂いの敵は強い。今相手をしなくても良い」


「この勝頼に策がございます。勝頼空撃隊を使います」


「何だそれは?」


「空から城に火を放ちます。味方の損傷なしに攻め落とします故、ご許可を」


 許可を得た勝頼は小荷駄に積んだ巨大な箱のような物を部下の孫六に持ってくるように言った。




 浜松を見下ろす山の上。ここに勝頼空撃隊30機は勝頼からの連絡をまっていた。ここにも勝頼の所にある箱と同じ物があった。


「聞こえるか、勝頼だ。作戦通り浜松城に火を放て!」


「承った」


 返事をしたのは伊那忍者の頭領 木村悟郎である。勝頼が図面を書いた空を飛ぶ道具、現代でいうハンググライダーである。

 竹で作られた機体に付けられるのは、相良油田で組み上げた石油もどき。


 これを使って作った簡易火炎瓶を空から城に降らせるのである。


 こうして、現代の科学と知識を駆使し浜松城を落とす勝頼であった。

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