第5話、マイナス×マイナス=プラス …なのか?
「あらあら、オークキングまで出てたんですか。
では、ポイント2倍ですね。
お疲れさまでした」
オークキングはCランクの仕事なので、割増しになるのだ。
報奨金を5等分して完了。
宿へ戻るとネズミが大量発生したとかで臨時休業になっていた。
仕方ないので他の宿に泊まったのだが、夜になるとその宿でもネズミが発生してしまい、追い出されてしまった。
また、ギルドの軒先に戻った。
今日は、あこがれのダンジョン初挑戦だ。
万一に備えて、食事は5日分、ヒールとキュアは覚えたので、ポーションだけ大量に買い込んでおく。
収納には毛布も入ってるし、ライトの魔法もばっちりだ。
地下1階は順調だった。
雑魚モンスターはすべて一撃で倒せる。
地下2階は罠だらけだった。
慎重に進む俺だが、壁に手をつけば矢が飛んでくるし、10mおきに落とし穴があったりする。
宝箱はモンスターだったが、それでも地下3階に到達する。
地下3階では岩が転がってきた。
それも一度や二度ではない。
だ、ダンジョンってこんなに大変なんだ…
落盤で生き埋めになりそうになった。しかも後ろが崩れたので帰りの階段へ行けなくなってしまったのだ。
なんとかダンジョンの変遷を待って帰ったのだが、ギルドの職員からダンジョンへは行かないでほしいと懇願されてしまった。
どうやら、俺が入ったのを見られていたらしい。
まあ、それでも日々それなりに過ごしていたのだが、Cランクになったのをきっかけに北の国に行ってみる事にした。
相変わらず馬車はコケるし、クマは出るし、大蛇も出てくる。
森を歩けばゴブリンやハチの巣にブチ当たるし、矢も飛んでくる。
「グッ…」
矢は俺の腹を貫いていた。
-神様、セナンですが、やはり災難引き寄せ率が尋常ではありません。
加速する一方で、弱まる気配がありません。
このままでは、スタンピード多発や隕石落下などで世界が滅びそうな勢いです。
-弱ったのう。
前の世界の神に聞いたところでは、ここまでではなかったはずなのじゃが、
召喚で悪化したのかのう。
いや、待てよ、現在のスキルは…
なんじゃこのスキル量は…
最近、何かあったのか?
-あっ、そういえば武道大会を全日程観戦してましたね。
-それじゃ!
数千のスキルを覚えてしまっておる。
多分、本人が意識していないのに、視界に入っただけで覚えてしまったのじゃ。
回復、超回復、蘇生、大魔法に中魔法、とんでもない量を覚えた反動じゃな…
-どうなるんですか?
-運・不運の割合は…まだまだ続きそうじゃのう。
-今も、お腹を射抜かれて…
-うん?不運の量がゼロになっちょるぞ。
その分、運の量が急に増えとる。
何かあったか?
-お腹を打ち抜いた狩人のキツネ人が介抱していますが。
-キツネ人…はて?
-あっ、この人も災難引き寄せが凄い人です。
-どういう事じゃ。
この女も運の量が増えてるじゃないか。
まさか、マイナスとマイナスが接触した事で、プラスに転じた…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます