【ざまぁ】新第13話 ドミー、ムドーソの門番をシックスパックで【絶頂】させる

 レムーハ記 ドミー王の記録より


 レムーハ大陸は統一国家を持たず、大小百個の小規模国家が割拠していた。

 その中でも北のアンカラ地方に存在するムドーソ王国は強勢を誇り、人口は約50000人。

 西のラゴモ、北のムディシとともに【3強国】を構成している。

 建国から約100年経過し、統治に緩みがでていたものの、表向きは平穏であった。



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 「ここがムドーソか」

 「うん。ここに帰ってくるとは思わなかった」


 ムドーソ王国の首都ムドーソは、王国の人口50000人中20000人が集住する大規模な都市である。

 都市を囲むように城壁、塔、空堀、門が築かれており、なかなか立派なものだ。


 「ライナは大丈夫か?俺が無理やり連れていくつもりはない。もし怖いなら…」

 「ううん」


 ライナは首を横に振る。


 「私もあなたみたいに堂々と生きたい。だから…逃げない」

 「そうか。分かった」


 俺はライナと共に、堂々と城に向かう。

 彼女の勇気を、無にしてはいけない。



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 「ああああああああああん!?くっさいくっさい男性がこの門を通ろうなんていい度胸じゃなあああい!?」


 通行しようとしている【エルムス門】を警護する兵士のリーダーは、アメリアと言った。


 女性とは思えないほど筋骨隆々とした肉体をしており、国境地帯に住むオークでも簡単に殴り殺せそうなメイスを携えている。


 口調といいこの粗暴さと言い、色んな意味で一般的な女性とはかけ離れている。


 といったところか。


 それでも【急所】が上手く決まれば指先1つでダウンなのだがー、


 (全身フルプレートの鎧か…)


 顔以外は全身鉄の鎧で覆われており、【ビクスキ】を阻んでいる。

 一筋縄ではいかない。


 「俺は確かに男性だ!しかし、それだけで通行を許さないのは横暴だろう」


 試しに近づいてみるがー、


 「バケモンがあああ!それ以上近づいたらこの【アメリアメイス】で粉々よおおおおん!?」


 メイスを突きつけられる。


 「あーあ、アメリア隊長を怒らせちゃった」

 「あの男性、メイスで頭粉々に砕かれるだけじゃ済まなさそ~キャハハハハハ!」

 「でも隊長ってー」


 周りの部下も似たようなタイプらしいが、耳寄りな情報を1つ得た。


 (ナビ。聞きたいことがあるのだがー)

 (その点ですがー)


 【案内役】から補足情報も得て、作戦は決まる。


 「あなたたち!これ以上ドミーを侮辱するなら私がー」

 「大丈夫だライナ」

 「ドミー…?」


 前に出ようとしたライナを押しとどめる。




 「今から、変態筋肉門番をビク〇ビクンさせるぞ」



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 「あーあ!!!残念だなあ~~~~」


 俺のわざとらしい大声から反撃は始まった。


 【ワイシャツ】のボタンをはずし、見せつける。


 「ふうううううん!!!」


 これまでの人生で鍛えられたシックスパックをっっっ!!!


 シャツをはだけさせただけなので、変態には該当しない。


 「な、なにい!あたい以外にそんなシックスパックを…」

 「俺はシックスパックの未来のため大陸をさすらう求道者ドミー!ここにムドーソ1のシックスパック保持者アメリアがいると聞いて来たのだが、がっかりがっかり!!!」


 もちろん、ただの変態筋肉門番が噂になるはずはない。

 はったりである。


 「まさか、フルプレートの鎧に隠れて強がるだけのだったとはな!!!シックスパックの神も泣いているぞっ!!!」

 「て、てめえ…」

 「こんなしかいない王国にいられるか!俺は帰らせてもらうっ!!!」

 「待ちなっ!!!」


 アメリアがメイスをぶん投げる。


 「聞き捨てならねえな。そのまま待ってろっ!!!」


 吐き捨てるように言うと、鎧を大急ぎで脱ぎ始めた。


 ーでも隊長って本当自分の肉体みせびらかすの好きだよね…シックスパックとか何回見せられたか。


 女性男性問わず、誇りとしているものを利用すれば、簡単に動かせるものだ。



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 「よーく見てろおおお!!!」


 やがて、アメリアは薄いシャツとパンツ1枚になった。

 まごう事なき変態である。


 「はあああああああああああ!!!」


 全身に力を籠め、俺に自らのシックスパックを見せつける!


 俺のものに勝るとも劣らない。


 なるほど。




 これは名器だ。




 「ははははは!不浄な男が女に勝てるなんて夢見てるんじゃねえよおお!男は女に支配されるー」

 「いや、まだ認められないな」

 「な、なに!こいつ減らず口をー」

 「の可能性もあるっ!!!」

 「…!!!!!」

 「表面上は強く見えても、少しダメージを与えるだけで崩れるなら話にならん!俺が知りたいのは、お前が本当に強いシックスパックを持っているかだっ!!!」

 「…そうか、分かったよこの野郎!!!」


 アメリアはずんずんと近づいた。


 「ほら、一発殴ってみろよ!その次はあたいがお前をぶん殴る!公平な勝負をー」

 「何勘違いしているんだ?」

 「ああん?」


 「公平な勝負なぞ必要ない!とっとと肉体強化のスキルを発動しろ!」

 「な、なぜそれをー」

 「お前のような変態筋肉門番が好むスキルなどたかが知れている!」


 俺は拳を突き出した。


 「予告する!お前のシックスパックを、肉体を強化していない俺の拳で、一発で破って見せるとな!!!」



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 「そうかい。分かったよ…」


 アメリアは一瞬静かになった。

 そしてー、


 「【ヴァイス】!!!」

 肉体強化スキルを発動した。

 肉体が肥大化し、シャツとパンツが急激に膨張する。

 危険な状態だ。


 「一発はくれてやるよ!!!だが、その後はあたいが全力でお前を葬ってやる!!!」


 おぜん立ては整った。

 安全に戦うならスキルを発動させる必要はないが、【ビクスキ】がスキルを発動した相手にも通用するか試しておきたい。


 ードミー殿。アメリアの【急所】はシックスパックです。【服従条件】と同じく、【急所】は女性の特性が色濃く反映されます。


 息を整え、必殺の一撃を放つ体制を取る。


 「アメリア!お前の筋肉は素晴らしかった!僧帽筋も!大胸筋も!広背筋も!上腕二頭筋も!だが、この俺を倒すには程遠い!!!




「シックスパックで果てろっ!!!」


 最後に、必殺技の名前を叫んだ。




 「ドミー流武術!シックスパック破りいいいいいいいいいいい!!!」


 アメリアのシックスパックに拳が触れる。

 もちろん、傷つけないよう優しくだ。


 「ほおおおおおおおおおおおおん!?!?!?!?あがが、bsぢはshbぢあs…」


 スキル越しでも俺の【支配】は届く。


 「…いやん♡」

 アメリアの全身から力が抜けた




 俺は、変態筋肉門番との激闘を制した。



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  次回予告 第14話 ドミー、シックスパック108連撃をやりきる


 「シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!シックスパック!]


 最後の一撃は、強敵ともと共に。


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