タイソン、東京での初敗戦の衝撃裏話と、54歳復帰❢❣(12月1日更新)
夏希ヒョウ
11月29日の、エキシビジョンを予想❢❣
★印は新しく書き足した場所です。
9月13日の予定だった「タイソンvsロイ・ジョーンズ」は《格闘技・裏通信》(毎週木曜日・夕刊フジ)によると、収益規模の拡大のために11月29日(日本時間)になるそうです。試合の放映権料は5千万ドル。
気になるのは「KO決着がない」(米コミッション)
※同記事によると日本のボクシング関係者は、辰吉vs薬師寺のエキシビジョンを待望しているらしい。
タイソンとエキシビジョンマッチを行うロイ・ジョーンズをあまり知らない人も多いと思いますが、無敗で五階級制覇したメイウェザーがスーパー・フェザー級のころ《中量級のジョーンズ》といわれていたことからも、ロイ・ジョーンズの凄さが分かります。
★1996年、バスケット(米国独立リーグ)の試合に出てその夜に、IBF世界スーパー・ミドル級タイトルの四度目の防衛に成功。ロイ・ジョーンズの練習をYou Tubeで観れば、彼のスピードの凄さが分かります。
~タイソン、東京での初敗戦の裏話~
全盛期は史上最強と言われ、破竹のKO街道を突っ走っていたタイソンが遂に東京ドームで敗れた。(1990年)
米国ではなく日本でのKO負けということもあって、この日のパンフレットは8万円という高値が付いている。
私の知人で黒人と結婚した女性(飲食の仕事先で知り合った)A子がいましたが、彼女によるとタイソンはダグラスとの試合を控えた前夜、六本木のクラブ(ディスコ)のツー・フロアを借り切っていたらしい。そして午前3時頃、一人の女性を持ち帰ったとのこと。
ケビン・ルーニーがトレーナーだった頃には、考えられない話ですね。
A子は友達と二人でディスコへ行ったのですが、もちろん彼女たちは黒人グルーピー(追っかけ)で、タイソンの周囲の黒人たち(取り巻き連中)とホテルへ……。
(A子は米国にも家があって、タイソンが最初に結婚したギブンスはタイソンと離婚した際に自分の住所を、離婚賠償に有利な州にしたらしい。
「だから彼女は、金目当てでタイソンと結婚した」と話していました。その離婚の慰謝料は10億円。
さらにA子によると、タイソンがレイプで逮捕される前も、実に20回くらいレイプ疑惑の報道があったらしい。強引に通りすがりの女性を引き込むタイソンを止めに入る警備員を殴ったこともあって、しかし相手(タイソン)はスーパースターだから事件にならなかった。実際、事件になったときは、レイプ被害者の女性とタイソンはホテルの入口で抱き合ってキスをしていた。だから、そのまま部屋に入って情事を済ましたあとで訴えた彼女はカネ目当てに違いなかった。とA子は話していた)
タイソンが収監されることで、91年11月に決定していたタイソンvsホリフィールドが中止。
この話(タイソンvsダグラス)には後日談のオマケがあります。
A子は知り合いのヤクザが(ヤクザ同士)賭けをしていることを知った。そのヤクザは、もちろんタイソンに賭けていたらしいですが、
「タイソンは負けるよ。今朝の3時に女を連れ出して一発抜いたら、その後仮に大麻を打ったとしても勝てるわけがない。相手は死に物狂いで準備をして、人生を懸けて向かってくるんだから」と忠告した。
当時のタイソンは、史上最強・地上最強・人間では勝てない……などといった形容で、ダグラスとの掛け率も42対1だった。(ダグラスに1万円賭けたら、42万円になった)
87年8月、タイソン(WBC&WBA王者)はトニー・タッカー(IBF王者)との無敗対決に判定勝ちして3団体統一のヘビー級王者になっているが、ダグラスはそのタッカーに(87年5月)10R・TKO負け。
88年6月、タイソンはマイケル・スピンクスとの無敗対決を1R・KOした後に、トレーナーのルーニーやマネージャーたちを解雇した。そしてドン・キングと新たに契約したタイソンは、この頃から私生活の乱れが顕著になり試合の延期などが相次ぐようになる。
89年2月、新体制でフランク・ブルーノ(英国)と対戦したタイソンは1R開始直後にダウンを奪うも、危機感のブルーノは再三、タイソンの頭を左腕で抱え込み右パンチで側頭部を乱打したり、後ろから(側頭部を)殴打して、減点1。しかし体のキレや相手の中に入るスピードが鈍いタイソンは、ブルーノの左フックをカウンターで食らい、あわやダウン寸前に追い込まれた。(第1R)
結果、5RでTKO勝ち。
デビューからのトレーナーであったルーニーを解雇して最初の試合であり、調整不足であったと見ていますが、ラウンドが進むごとにタイソンは動きが良くなっています。少なくともスタミナ不足には見えなかった。
特に驚いたのは、(第5R)35秒くらいに見せたワン・ツーは凄まじい❢❢ それから少し間をおいた左フックも迫力充分。
同じ練習不足でも、96年のホリィ第1戦の場合とはスタミナの体力がやはり違う。それは、たぶん88年(スピンクス戦)を最後にルーニーを解雇してから練習不足が慢性化していったことと無関係ではないでしょう。それとホリィとは接戦であったこと。(年齢も多少は影響あるでしょうが、その間に節制と練習を怠らなければ全然違っていたでしょう。それに、ルイスもホリィもタイソンより年上)
89年7月、カール・ウイリアムス(米国)を1R・TKO(ストップが早いために詰まらない結果)するも、11月に決まっていたドノバン・ラドック(カナダ)との試合をキャンセル。
そして、2月に東京で決まったダグラス戦。
ダグラスにしてみれば人生を懸けるというより、死なないまでも試合後に後遺症が残る(五体満足ではリングを降りられない)ぐらいの恐怖で、それはつまり命を懸けるほどの覚悟に違いなかった。
さらに、ダグラスにとって負けられなかった最大の理由が試合の2週間前にできた。それは、最愛の母親の死去。これによって「試合を中止するか?」と、周囲に決断を迫られた彼は「信じてくれた母のために闘って勝つ❢❣」と決意を新たにした。(試合前、タイソンに勝てるわけがないと嘲笑されていた母は「私の息子は必ず勝つ」と言い返していたらしい。そして、もしダグラスが試合をリタイアしても2週間あれば代役を立てられたのでしょう。さらに試合の10日前にインフルエンザにかかってしまった彼は、絶体絶命の危機に陥っていた)
そんな試合前のダグラスの心境とは逆に、片やタイソンは数時間前まで遊び呆けていて(女と一戦を交えていたかどうかはともかく)……運命のゴングが鳴った。
初回から、ダグラスのジャブが的確にタイソンにヒットし、(ダグラスの)アウトボクシングが功を奏し始めると(ダグラスに)勇気が芽生えだした。
「立ち向かっていける」という。
しかし第8ラウンド、攻め立てるダグラスに対し、ロープを背負い防戦一方のタイソンは、だが右アッパーをヒットさせた。
すると、その一発でダグラスは後ろにのけぞってダウン。
タイムキーパーはカウントアウトしていたにもかかわらず、遅れてカウントを始めたレフェリーは立ち上がったダグラスを見て、なんと試合を続行させた。ルール上は、ここでタイソンのKO勝ちだったのですが。
試合再開直後にゴングが鳴って、ダグラスは休憩(一分間)という幸運にも恵まれた。ダウンから立ち上がった(ふらふらの)ダグラスが、仮にラウンド終了まで10秒以上あったならば、おそらくタイソンは勢いとともに最後の力を振り絞って倒し切っていただろう。
期待された次のラウンドだったが、それまで打たれすぎたタイソンは右目が塞がった状態で、肉体的ダメージも明らかだった。その後、尻すぼみに弱っていったタイソンはあえなくKO負け。(第10R)
試合終了後、世紀の大番狂わせを演じた彼はリング上のインタビューで、泣きながら母親への感謝を口にしていた。自身の人生にとって最大の見せ場で、しかも負けられない理由が母親の命と引換えに試合直前に訪れた彼にとって、これ以上の喜びはなかったに違いない。
さらに試合の結果は、速報で世界中を駆け巡った。
そんな勝負の裏でダグラスに賭けたヤクザは、1500万儲けたとのことです。
来日したタイソンが常宿にしていたニューオータニのホテルマンから聞いた話ですが、ホテルから会場に向かう車に乗るまで、つまりエレベーターに乗るときなど、黒人の大男が三人でタイソンを取り囲んでいた。
他人に危害を加えないように。
当のタイソンは、タオルを頭からかぶって独り言をつぶやいていたらしいです。
まさに『野獣』という形容がピッタリ。
彼が、デビュー当時からの(恩師であるカス・ダマトの精神と技術を受けついだ)トレーナーであったケビン・ルーニーを(うるさいからといって)解雇などせずに愚直にボクシングに没頭していれば、ホリフィールドにもルイスにも負けることはなかったかもしれません。
タイソンに勝ったダグラスは、ラスベガスでホリフィールド相手に初防衛戦を迎えるが、ロングカウント事件の裁判で練習に集中できなかったらしい。(さらに、色んな誘惑や盛大な祝勝会が絶えなかったでしょう)
そして、迎えた初防衛戦だが……。
当時、世界最強だったタイソンに勝ったにもかかわらず、ホリィに3RKO負けしたダグラスは《油断したタイソンに、まぐれで勝っただけの幸運なボクサー》としか評価されていない。
それでも試合前の母親の死と恐怖を乗り越えたダグラスと、片や有頂天で自惚れ堕落した生活を送っていたタイソンに降り掛かったような試合展開とロングカウント事件。敗戦によって、4ヶ月後に決まっていたホリフィールド戦の中止。
その後も91年11月に再度ホリフィールド戦が決まるも、タイソンは練習中に肋骨を骨折とレイプ事件で中止になっている。
この頃のタイソンが万全に仕上げてホリィと闘っていたら?
しかし、第2戦も耳を噛むまで、タイソンは苦戦の傾向にあった。相性が悪かったのかもしれないが、91年あたりに初戦が決まって、2戦目まで決着がつかなかったら、ラバーマッチ(第3戦)もあったに違いない。
(ただ、接戦や苦戦したときにこそ名参謀が必要で、やはりタイソンにとってルーニーは無敵の王者であり続けるためには必要だった)
……ヘビー級ボクシング・シーンに絡むタイソンの人生は、まさに映画のシナリオよりドラマチックだ。
そんなタイソンも、今年の6月30日には54歳。米国で猛威を振るうコロナが年末に少し収まるような気配をみせれば、それを目論んで年末にはタイソンのエキシビジョンマッチが開催されるかもしれません。
タイソンはキャリアの後半、あまり練習もしなかったしコンディションも上手く作れなかったと見ています。だからスタミナもなかった。(特にホリィの初戦、ルイス戦のような大事な試合で)
そして、そのボクシングの練習不足を誤魔化そうとしたのかはともかく、見せかけだけは衰えを隠すためにウエイト・トレーニングで筋肉をつけようとした?(なぜなら、パンチを打つのに大胸筋はあまり使いません。タイソンのそれはベンチプレスの効果だと思います。ハードパンチャーで、リーチの長いハーンズやマクラレンたちはどちらかというとストレートパンチャーだったので何ともいえませんが、胸筋はあまりありません。フック系のタイソンとは使う筋肉も多少は違うと思いますが)
元々、ウエイトで作った筋肉とボクシングで使う筋肉は質が違う。だからウエイト・トレーニングに偏りすぎると、理論的にも物理的にもスピードが落ちる。デビュー当時のタイソンは(腕など)太くないが、その代わりスピードは軽量級の選手より速かったし、それがタイソンの一番の強みだった。
酒やドラッグ、その他の欲望にまみれたキャリア後半だったが、だから彼の中では後悔の念が残っている。50戦無敗で終わったメイウェザーが本当は羨ましくて仕方がない。
「俺も、もっと真面目にボクシングに取り組んでいれば負けることもなかったしもっと稼げた」
最後の試合となったケビン・マクブライト戦では「もうこれ以上、ボクシングを侮辱したくない」と敗戦後のインタビューで、涙ながらにいった真意はそこにある。しかも、ケビン戦でもタイソンは相手の乳首を噛もうとしたらしい。
だからタイソンは、心を入れ替えてエキシビジョンに臨み、正式にカムバックを目指すと思います。もちろん、それでも全盛期には及びませんが、キャリアの終盤のころよりはベストコンディションのタイソンが現れ、世界中を驚かせるようなパフォーマンスを見せるかもしれません。
そんな彼に再び立ちはだかるのが、カムバックを目指しているホリフィールドです。仮に両者が復帰して、たとえ格下相手でも勝ち続け『タイソンvsホリフィールドⅢ』が実現したら、ファイトマネーはどうなるでしょうか?
この二人に触発されて、レノックス・ルイスも黙っていないかも? 特にルイスは三人の中で一番打たれていないからダメージも少ないし、私生活も真面目なのでコンディション的にも問題ない。ファイトマネー次第では充分に考えられる?
遂に決まったタイソンの相手はロイ・ジョーンズ(75戦66勝47KO9敗)で、
8回戦・ヘッドギア装着で行われる。(1R・2分)
身体能力はほぼ同レベルか、ややジョーンズか?
しかしパンチ力もさることながら、打たれ強さが……ジョーンズは9敗のうち、5KO負けで倒れ方も酷い。特にグレン・ジョンソン(77戦54勝37KO21敗2分)には、9R・失神KO負け。他にも10Rと4Rに失神に近い負け。
ジョーンズの最後の試合は18年2月。(WBU世界クルーザー級王座・獲得)タイソンは2005年の試合が最後。(6R・KO負け)
4階級制覇・ジョーンズの最大の功績は、(2003年3月)WBA世界ヘビー級王者・ジョン・ルイスを判定で下しヘビー級王座の戴冠で、ミドル級王者がヘビー級を制すのは106年ぶり、2人目。(87,5㌔vs107,5㌔)
しかしそのルイスは、タイソンと同タイプの『デビッド・トゥア』に10数秒で失神KO負けしている。
タイソンvsロイは典型的な「アウトボクサーvsファイター」で、2Rに試合カンが戻ったタイソンが、逃げ回るジョーンズをを捕まえKO勝ちと予想します。
ジョーンズはタイソンを目の前にして、今までに感じたことのない圧力と恐怖を感じるでしょう。タイソンの追うスピードにもよりますが、1R・KOも充分にありえます。
それにしても放映権料は5千万ドルというから、順当に勝ったタイソンの、その後の動向から目が離せません。
(以下、11月25日)
ジョーンズが、ミドル級のゴロフキンやL・ヘビー級のカネロ・アルバレスとやるのならまだ分かります。(キャッチ・ウエイトで)
しかし……前述した予想より、もっとシビアな結果になるでしょう。
(11月30日)
★見事に、予想が外れました。まさか、最終ラウンド(引き分け)までいくとは……。
戦前にいわれていたヘッドギアは装着していなかったし、12オンス・グローブと(1R)2分がなければ、公式戦と同じ。
1R開始後、ジャブの連打を放ったタイソンのパンチのスピードと、懐に入る足の速さ、最終ラウンドまで落ちなかったスタミナ。少なくとも、15年ぶりの動きには見えなかった。(ジョーンズは約2年9ヶ月ぶり)
が、やはり倒すシーンは見たかった。
一方、ジョーンズはアゴにクリーンヒットさせないところはさすがだったが、前進するタイソンをかわすフットワークがなかったところは、やはり衰えだろう。2R以降は、タイソンに抱きついたり、腕を執拗に抱え込むクリンチが目立った。スタミナも中盤以降は切れていた。ジョーンズは元々、アウトボクサーというより中間距離を得意とする攻撃型のボクサーファイターだったけれど、彼の身体能力ならもっと足を使うこともできたはず。しかし、タイソンのボディブローが効いたからクリンチを多用し、またスタミナも奪われた。
「タイソンはゆくゆく、現王者のジョシュアやフューリーたちとエキシビジョンをやりたいらしい」(小泉さん)
という自信も、あながちオーバーには聞こえないくらい動きはよかった。
次のエキシビジョンマッチは、もっと動きはいいかもしれない。
さぁ、これを観たホリフィールドやルイスはどう思うか!?
タイソン、東京での初敗戦の衝撃裏話と、54歳復帰❢❣(12月1日更新) 夏希ヒョウ @hyou0777
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