第70話 天使
もう生きていられない。学校生活に耐えかねた僕は屋上に上がった。先客がいる、誰だ?
「やあ僕は天使、迎えにきたよ」
あどけない顔をした、透き通るような肌の少年だった。「さあ早く早く」僕を急き立てフェンスに登らせる、嫌だ怖いよ。「じゃ、後でね」とん、と背中を押された。落ちながら本当に天使なのかとぼんやり考えて意識を手放した。
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