第3話 黄泉比良坂
死んだ母に手を引かれ、長い坂をゆっくりと歩く。あーこれ、俺死んだんだね。母さん懐かしいな。
「母さん。」
「前見て歩いて。」
つれねえなあ。
先に坂を登った母さんが振り返る。
「さよなら。」と泣き笑いの顔で俺を突き飛ばした。
あーあ、死にそびれたぜ。
病室の天井が、涙でぼやけていた。
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