第19話
『地下神殿』を踏破した僕は、次の狩場を決める必要があった。
僕は、聖骸布で作ったバンテージを巻きながら、タナカに相談をした。
「次の狩場はどこがいいの?」
『いよいよ、ラスダンかなぁ』
「ラスダン?変な名前の場所だね」
『まぁ、そういうもんです』
そんなやりとりをした後、僕は『ラスダン』の前にたどり着いた。
とてつもない瘴気を放っている巨大な城だった。
毒の沼地に囲まれており、城には陽光が全く差さないという異様な風景。
その禍々しさには、常人が近寄ってはならない何かを感じる。
いや、流石にこれは……。
僕は、腰がひけてしまった。
『乗るしかない、このビッグウェーブに』
タナカは相変わらずだった。
そうして、僕は、その地に足を踏み入れてしまったのだった……。
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『ラスダン』の中のモンスターは、オークロードよりは劣るが、いずれも猛者ぞろいだった。
悪魔族や、魔人族が多いのが特徴かもしれない。
他には、昆虫系で状態異常を引き起こすようなモンスターもいた。
いずれも高度な知能を有しており、戦う上では、駆け引きが求められる相手だった。
そうしたモンスターとの死闘を重ねるごとに、僕は強くなっていることを実感できた。
一戦一戦が、僕を磨きあげていく。
そんな充実した日々だった。
『ラスダン』でそんな日々を送るうちに、僕は十一歳になり、身長は二メートルに届いていた。
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ひげ面のおっさんの店で『ラスダン』のモンスターを納品していた、そんなある日のこと。
僕は、受付嬢のモニカさんに声をかけられたのだった。
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