会談(アラモードside)

「・・・・・驚いた、 まだ生きてるのか」


目が覚めたアラモードはぽつりと呟いた。

目隠しされ椅子に座らされて拘束されて動けない。


「・・・・・魔法も使えないか」


如何なる手段か魔法も封じられているらしい。


「しかしながら生かしてほっとくとは浅はか

流石は敗残兵と言う所か」

「見張りは居るからな」


同じ部屋に誰か居るらしい。


「ふん、 で? 如何するの?」

「如何するもこうするも見張りだからな

目が覚めたならばスカイ様を呼ぶまでだ」

「あらそう、 意外と真面目ね」

「ふん、 大人しく待っておけ」

「よっと」


すっ、 と縛られた後をロープから引き出すアラモード。


「え、 おま」


ぐるんと一回転して椅子を見張りに叩きつけるアラモード。

椅子は壊れてアラモードは自由になる。


「ふぅ」


目隠しを取るアラモード。


「こんにちは、 アラモードさん

私はビア帝国第十三騎士団【純白の真珠】の生き残りのマヤです」

「・・・どうも」


目の前にマヤとスカイが立っていた。


「私を生かして人質にでもするつもり?」

「いえ、 貴女には是非とも我々と共に戦って貰いたい」

「はぁ?」


マヤの言葉に眉を顰めるアラモード。


「貴女の父親のフライは大罪を犯しました

その償いとして一緒にフライを倒しませんか?」

「いや、 父上が何をしようと私には一切関係が無い

彼が虐殺しようと何しようが私には一切罪は無い

ビア帝国には犯罪者の家族には社会的な偏見は有れど連座刑は無い」

「その理屈っぽい所は父親譲りね」


呆れたように言うスカイ。


「・・・・・所でマヤ、 スカイと来てもう一人居ましたよね?」

「うん?」

「シアン・ラプラスですよ、 参謀の」

「・・・・・」


真顔になるマヤとスカイ。


「死んだよ、 奴は」

「なら駄目でしょう、 戦力が圧倒的に不足しています

私が手伝った所で勝ちの目が有るとは到底思えませんね」

「亜人達が居る」

「スカイ、 戯言を言わないで」


スカイの言葉を否定するマヤ。


「意外と強い亜人も居るじゃない、 ナイフとか」

「ふん、 亜人なんて如何でも良いわ

それよりもアラモードさん

貴女はそもそもの所フライにそれ程忠義を誓っていないんじゃないです?」

「まぁね、 でも態々反逆する程、 憎んでも居ません」

「それならば勝てる保障が有れば我々に加わると?」

「負け犬の敗残者達が勝ちの保障? 信用出来ないわね」

「・・・・・」


マヤはアラモードを蹴り倒して胸に足を乗せる。


「黙れ、 殺すぞ」

「・・・げほ・・・乱暴ね」

「お前が話を聞かないからだ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る