私は未来を知っている(アラモードside)

「まず最初にラビー・ストロングが居れば大体の事は片付く」

「は?」


起き上がり、 マヤが話す内容に首を傾げるアラモード。


「・・・・・ラビーは強いけども父上に匹敵する程の人材かと問われれば首を傾げる

そもそもラビーは貴女の手駒じゃないでしょ?」

「いや、 彼女は協力する筈よ

彼女は国を愛する女、 そんな彼女が国を亡ぼされたらどう思う?」

「・・・・・話が見えない、 スカイさん、 この女大丈夫ですか?」

「彼女は未来を知って居るらしい」

「は?」


スカイが話す内容に首を傾げるアラモード。


「予知の魔法使い? でも貴女の固有魔法は確か」

「スカイの言う事は正確じゃない、 何て言うのかな・・・

私はこの先、 何が起こるかを大体把握している」

「大体把握している? どういう事?」

「私には前世の記憶がある」

「は?」


突拍子もない言葉に首を傾げるアラモード。


「前世の記憶?」

「そう、 前世の記憶ではこの世界はゲーム

まぁ虚構の代物なんだ、 小説なんかと同じ物と考えて貰えれば良い」

「頭のお医者さん行って来たら?」

「私も最初はそう思ったけどもマヤの言っている事は大体当たっている」

「大体?」

「細かい違いは有れど大まかに何が起こるかは大体分かるのよ」

「はぁ・・・え、 じゃあ予知能力持ってアンタ達戦争に負けたの?」

「忌々しい事に・・・忌々しい事に・・・ぎぎぎぎ」


歯軋りを始めるマヤ。


「落ち着けマヤ、 代わりに私が説明する」

「頼む・・・あの女の事を考えると頭が可笑しくなりそう・・・」

「うん、 そっちで深呼吸してなさい」

「そうする」


深呼吸を始めるマヤ。


「私が代わりに説明するわ

マヤの他にもこの世界の未来を知って居る人間が現れたの

その女の名はノストラダムス」

「ノストラダムス・・・」


ノストラダムス。

その名を知らぬ者はビア帝国に居ないだろう。

皇帝フライと幼少時から共に戦い尽力した正にフライの右腕とも呼べる女性だった。


「ノストラダムスも未来を知って居たから未来に変動が起きた、 っていう事なのよ」

「・・・・・それ可笑しく無いですか?」

「何が?」

「いや、 既に同じ国の同じ時代に2人も未来の事を知る人間が生まれているのならば

過去にも未来を知る人間達が大勢居た筈、 それなのに未来に変動が殆ど無いのはおかしい

全員が全員、 慎ましく暮らしていたと?」

「・・・・・まぁ、 そこを深く突っ込むとまたマヤが騒ぐからそっとしておきましょう」


マヤはまだ深呼吸をしていた。

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