保身保身保身保身

リソレの案内で地下に降りるラビーとゼロとツイスト。


「その亜人側の大使って言うのはどんな人なんですかな?」


ゼロが尋ねる。


「天下無双のビビり野郎ね、 事有るごとに地下のシェルターに逃げる」

「シェルターか・・・うん?」


廊下を歩いて行くと数m間隔で亜人の警備員が配置され

鉄格子が複数設置されている。


「厳重過ぎるのではないか?」

「凄いビビりだからね、 私はここ迄です」

「は?」

「アイツは私を信用していないのでここまでしか入れないんですよ」

「一国の皇女に無礼では?」

「故人ですので」


遠い目をするリソレ。


「そもそもここは狭いので私では動き難いのです」

「そうですか・・・」


リソレと別れ鉄格子を警備員に開けて貰い、 入るを繰り返し重厚な扉の前に立つ3人。

扉の前には複数の亜人が立っていた。


「大使殿へお会いになるのですね?」

「はい」

「ではお待ち下さい」


亜人達は扉を開こうとする。

大の大人数人がかりでのろのろと開くその様はまるで銀行の大金庫の様な物だった。

数分後、 やっとの思いで開く扉。


「ぜぇ・・・ぜぇ・・・どうぞお入りください」

「ど、 どうも・・・」


中に入る3人が見たのは執務室の様な机、、 そして周囲に散乱する酒瓶。

槍を持った頭が柵になっている亜人だった。


「酒臭・・・酔ってるのか?」

「それ以上近付くな!!」

「・・・・・」


恐怖の余り酒に逃避しているのか、 と三人は正しく彼を理解した。


「あの・・・大丈夫ですか?」

「大丈夫、 大丈夫大丈夫、 やればできるやればできる・・・」

「・・・私達と一緒に来ていた者達を何故締め出したのか理由をお聞かせ願いたい」

「締め出してない!! 中に入れてないだけだ!!」


激昂する大使。


「中に入れてない?」

「私の能力は私が居る建物の敷地内に誰も出入り出来なくする能力だ!!

敵の侵入や干渉を防ぐ為に発動している!! ここに居ない君の仲間は偶々入れなかっただけだ!!」

「・・・彼等を見殺しにするつもりですか?」

「私は私の身を守っているだけだ!! 結果として敵に襲われてしまっているだけだ!!

私のせいにするな!! それに彼等はちゃんと逃げた!! 問題は無い!!」


ラビーはイラつきながら提案する。


「じゃあ私が彼等を連れて来ますから能力を解除して私を一旦外に出して下さい」

「断る!! 敵が侵入してきたら危ないからな!!」

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