オブラート・テリトリー

ごん、 ごんと天井から音がする。


「何だ?」

「ひょっとして・・・攻撃されている?」

「気になるわね、 ウィノ、 様子を見て来なさい」

「俺ェ!?」

「私の店ですので私が行きます」


すっ、 と立ち上がるラビー。


「待ちな、 俺が見よう」

「ツイスト殿下?」


ラビーにウィンクしてツイストが勢い良く扉を開ける、 と同時に吹き飛ばされる。


「ぐへっ!!」

「な、 何だ!?」

「おや、 ツイスト兄様でしたか」


膜を靡かせてオブラートが入って来る。

ツイストが吹き飛ばされた原因は拳大に固められた膜であった。


「貴方は?」

「ビア帝国第14皇子、 オブラート・ボウル・ビアです」

「どうもオブラート殿下、 ラビー・ストロングです」

「存じている、 さてと一緒に来て貰いましょうか?」

「お断りします」


ひゅ、 と膜が伸びてラビーに迫るが膜は燃やされる。


「うぉ!?」


燃えた膜が切り離され全体の延焼を防いだ。


「その変なマントが貴方の固有魔法」

「そう【オブラート・テリトリー】だ

かなり自由に動かせる・・・聊か性急過ぎたな、 これを見て貰おう」


オブラートが膜の一部を変化させる。


「ぷはっ!!」

「お、 お父様!?」


ゼロの顔が膜の中から現れる。


「人質ってやt」


オブラートの顔面にメロンが飛んで来る。

膜の一部が変形してぺしっ、 と弾く。


「おい、 一体何のつもりだアラモー」


光速で移動して静止し、 オブラートの顔面にナイフを突き刺そうとするソーラー

オブラートは瞬時で幕で顔を覆う事でガードしながらもソーラーを拘束する。


「危ないじゃ無いですかソーラー兄様」

「何言ってるんだ!! 一国の公爵をこうして人質にする等、 言語道断だ!!

やって良い事と悪い事の区別すら出来なくなったか!!」

「何とでも、 俺は皇帝になる、 さぁラビー、 一体如何する?」

「他国の公爵を人質にする者が皇帝になったら国際問題だろうが!! 妄言を吐くな!!」


怒声を浴びせるソーラー。


「兄様は黙って」

「ビーンショット」


木属性の汎用魔法【ビーンショット】

小さな豆を弾丸の如く飛ばす魔法だが威力は拳銃並である。

アラモードが放った豆の弾丸がオブラートに当たるがまるで効果が無い。


「貴様も黙れ」


膜が伸びてアラモードを叩きつける。


「さてと、 人質も居るし答えを聞こうか」

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