悪役令嬢の私がモテモテな件について

ラビーを落とせ!!(皇子side)

カラメル王国とビア帝国の国境からカラメル帝国に入って来る四人が居た。


「ん-あぁ!! さぁてここに居るのかな!! 子猫ちゃん!!」


くねくねしながら体を捩らせる彼はツイスト・ボウル・ビア。

ビア帝国第11皇子である。


「あ、 ちょっと離れて下さいツイスト、 貴方みたいなナルシストと一緒だと

私の価値が下がる様な気がして憂鬱になります

後服もセンス悪いです、 最悪です、 死んで下さい」


ツイストを拒絶する彼はソーラ―・ボウル・ビア。

ビア帝国第10皇子。


「ふふん、 ソーラー兄さん、 アンタは何も分かっていないよ?

その・・・子猫ちゃん」

「ラビー嬢の事?」

「そう、 そのラビー嬢を落して奥さんにした奴が次の皇帝ならば

このビア帝国一のプレイボーイ、 ツイスト様の圧勝は確実でしょ!!」

「正直、 キモイです、 何でそんなに自信有るの? 死ねば良いのに」

「何でそんなに辛辣なんですかぁ、 アラモードちゃんも何か言ってやって」

「兄様が気持ち悪いのは何時もの事ですよ」


ツイストをディスる彼女はアラモード・ボウル・ビア。

ビア帝国第20皇女。


「あぁん、 ひどぅい、 ラテアート兄さんも何か言って」

「・・・・・」


腕組みをして黙っている少年、 彼はラテアート・ボウル・ビア。

ビア帝国第5皇子である。


「まただんまりか・・・でもこれって僕の圧勝じゃない?

他の兄弟達に先んじてラビー嬢の

ハートを射止める為にカラメル王国にやって来た訳だし」

「「我々も一緒に来ているじゃない」」

「いや、 だって・・・ねぇ? ソーラー兄さんは毒舌だし

ラテアート兄さんは何も言わないし、 アラモードちゃんは女だし・・・

僕が圧勝じゃん」

「何を言っているの兄様、 女同士でも私は構わないわ」

「ケケケ、 君達は本当に愚かだねぇ」


頭上から降って来た少年、 ビア帝国第14皇子

オブラート・ボウル・ビアである。


「オブラート君か、 君も来ていたのかい?」

「国境の検問では見かけなかったが・・・」

「あぁ、 検問をスルーして来たし」

「何だと?」

「俺の目的はビア帝国の皇帝の座

その為にカラメル王国に病気を持ち込んでも気にしないわぁ

俺の固有魔法使えば密入国もらくちんちんー、 じゃ」


ふぁ、 とオブラートが消えた。


「オブラートが動いたとなるとさっさと動かないと不味いですかねぇ

私はお先に失礼しますよ」

「まぁソーラー兄さんに足の速さでは勝てないからね、 後でまた会いましょう」


ソーラーが輝いたと思ったら消えた。


「じゃあ一緒に行こうかアラモードちゃん」

「あ、 私はちょっとこの国のお菓子を食べてから向かいますので失礼します」


アラモードも去って行った。


「・・・・・ラテ」


ラテアートも既に居ない。


「・・・さぁ!! 子猫ちゃん待っていてね!!」


無理矢理テンションを上げる為に叫ぶツイストだった。

国境の警備員に怪訝な目で見られたのは言うまでもない。

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