今日ものびのび、明日ものびのび

でぶ妖精が渡した航海日誌を手に入れたラビー達。

遺跡から出ると一匹のでぶ妖精が居た。

しかし明らかに見た事が無いでぶ妖精だった。

でぶ妖精から8本の手足が生えていた。


「にょもーし、 止まるにょ―」

「何だ?」

「くもでぶにょー、 でぶ妖精の世界からやって来たエージェントにょー」

「エージェント?」

「そうなにょ、 君達が人間もでぶ妖精になれるって事を広められるのは困るにょ

だから発表は控えて欲しいにょ」

「・・・断れば?」


鳥籠頭が尋ねる。

次の瞬間、 くもでぶは鳥籠頭の頭の上に移動した。


「目、 目で追えない・・・」

「くもでぶはめっちゃ強いにょ、 アキラメロン」

「くっ・・・だったらフィクションとして発表しよう、 それなら良いだろう」

「おっけーにょー、 じゃあ帰るにょ―」


あっさちと引き下がったくもでぶであった。


「良いんですか? あんな事を言って・・・」

「世間には発表したいが口止めされたからな・・・

あのくもでぶって奴、 凄い力だった・・・」

「あんまり強そうには見えませんでしたけどねぇ・・・」

「少し悔しいが世間に発表出来るから良しとしよう」

「そうだな・・・というか普通に発表しても信じて貰えるか

怪しい所だったから寧ろ良かったかもしれない」


ヘルメット頭が呟いた。


「兎に角調査はこれで終わった事ですし、 今日は私が奢りますよ

お店で食べて行って下さい」

「店長話が分かるなぁ!!」


レストラン・スコヴィルに戻ったラビー達だったが

そこには大量の木箱が届けられていた。


「これは?」

「手紙が有りますね、 何々・・・【これは口止め料にょー くもでぶ】」


木箱を開けると中には大量の肉と骨が入っていた。

他の木箱にも様々な食料が入っていた。


「肉は分かるが、 骨?」

「骨は骨で美味しいんですよ、 じゃあ今日は焼肉にしましょうか」

「分かり易い贅沢な料理だな!!」

「じゃあ準備しますねー」


ガチャリ、 と店のドアを開けるとでぶ妖精達が待ち構えていた。


「話は聞いていたにょ、 手伝うにょ」

「手伝う?」

「食べるのと作るのを」

「・・・・・」

「これだけの量、 とてもじゃないけど食べ切れないにょ

おでぶちゃんにも手伝わせてにょ」

「いや食べ切れない量は保管すr」

「おでぶちゃんも仲間にょ!!」


キリッ、 とした眼をするでぶ妖精。


「・・・うん、 そんなに食べたいなら手伝わせてあげるけど

全部は食べちゃ駄目よ」

「分かったにょー」


でぶ妖精は元々人間であった、 とか色々深く考えていたが

それでもおでぶちゃん達は今日ものほほんと暮らしている。

その姿を見ると微笑ましいなぁ、 と思うラビーであった。

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