町長が語るでぶ妖精の真実!!(後編)

「でぶ妖精は人間だったのかと言われれば全てのでぶ妖精が

元人間じゃなくでぶ妖精が分裂して出来たでぶ妖精とか

色んなでぶ妖精が居るにょ」

「じゃあ最初のでぶ妖精は?」


ラビーが尋ねる。


「分かんにゃい、 人間だったのかもしれないし

もっと他の何かだったのかもしれない」

「そうなの・・・何だか恐ろしくなって来たわ

でぶ妖精が人間だったなんて・・・」

「にょ、 安心するにょ、 人間がでぶ妖精になるにはとても難しい条件が有るにょ」

「条件?」

「全身全霊でだらだらするにょ」

「何だか気を抜いたらでぶ妖精になりそうな条件ね」

「にょー、 常人がだらけたいレベルではでぶ妖精にはなれない

だらけるだらだらのプロで無ければでぶ妖精にはなれない

超科学文明で何もしなくて済む状態になるか

或は哲学的超人じゃなければ無理にょ」

「だらけるのに超人になるのか・・・」

「或はおでぶちゃん達の世界に行くかだね

でぶ妖精の世界ででぶ妖精になる方法が有るらしい」

「あんまり行きたく無いなぁ・・・」

「おでぶちゃん達もだらけられなくなるから

人間さんがでぶ妖精になるのはちょっと控えて欲しい

でぶ妖精を愛でて欲しいにょ」

「我儘だなぁ・・・」

「さて、 着いたにょ」


またしても扉が現れた。

町長でぶ妖精はパネルによじ登ってぽちぽちすると扉が開かれた。


「これは・・・」


扉の中はまるでSFの宇宙船のコックピックの様だった。


「うんしょ、 うんしょ」


人間サイズの椅子をよじ登って、 装置をぽちぽちと押す。

そうするとガガガと用紙が何枚も出て来た。


「はい、 これ」

「何だこれ・・・」

「航海日誌にょ、 人間だった頃のおでぶちゃんが書いた物にょ

ここに辿り着くまでに人間さんは全員おでぶちゃんになっちゃったから

人間の資料はそれが全部にょ、 古代でぶ妖精文明についての資料も

その日記だけにょ」

「そうなのか・・・」

「おでぶちゃんにはこれと言って文明の文化は無いにょ

だけど古代でぶ妖精文明以前の歴史文化はそれに詳しいと思うにょ」

「そうか・・・」


かなり大量に出て来る用紙に面食らいトレジャーハンター達。


「これが古代でぶ妖精文明の真実かぁ・・・何だか拍子抜けだなぁ・・・」

「何かお宝とか有るとか思ってました」


少年が言った。


「馬鹿言え、 トレジャーハンターとして冒険はロマンだ

飯のタネになるから一応発表とか仕事になる様にはするが

お宝が必ずあるとは考えない方が良い」

「金歯と銀歯だったら沢山有るにょ―

要らないからあげるにょー」


そう言って木箱箱一杯の金歯と銀歯を持って来る町長でぶ妖精。


「価値は有るけど気味が悪い!!」

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