ここは一体なんだろうか

カンテラ頭とロープ頭、 盾の騎士はそれぞれ本を見ていた。

とは言ってもパラパラと見る程度だが。


「こっちの本は・・・ロシア、 という国の歴史らしい

ゆーらしあ、 という大陸の人間の国らしいが・・・聞いた事はあるか?」

「聞いた事無いな、 ゆーらしあも初耳だ

こっちは星図の様だが

全く知らない星座が何個も有る、 とは言え乙女座

とか知って居る星座もあるが・・・」

「超古代ならば星座や国が知らない事も有っても変じゃないかもな

騎士の旦那、 アンタは如何だ?」

「・・・・・」


パタン、 と本を閉じる盾の騎士。


「人間の戦争の記録らしい、 見ていて気持ちの良い本では無いな」

「そうか・・・しかしでぶ妖精の興味のある分野とは思えないが・・・」

「実際見ているか怪しい所だが・・・」

「知らない国に知らない星図、 これは古代文明の気配がするなぁ・・・

人間の戦争記録はどんな感じだ?」

「大怪我を負った人々や巨大な丸いドームが鉄骨だけになっていたよ・・・

恐らくは強力な魔法の爪痕を記した書物なんだろう」

「そうか・・・」


本を棚に戻し、 別の本を取り出す盾の騎士。


「これは人体の仕組みの本か・・・うわ」

「如何した?」

「いきなり人体の解剖図が出てた」

「それは気持ち悪いなぁ・・・・・・・あれ?」


カンテラ頭の頭に疑問を去来した。


「如何した?」

「さっき、 見ていたロシアの歴史の本や戦争の本

そしてその人体の本、 何か人間の歴史とか人間の体の仕組みの本

人間に関係する本ばかりがある」

「確かに偏りを感じる・・・」

「それにそもそもこの本棚、 背が高過ぎないか?

でぶ妖精のサイズに合ってない、 ドアも人のサイズだ」

「・・・・・じゃあ何か? ここはそもそもでぶ妖精の文明では無く

人間の文明だったと?」

「古代でぶ妖精文明では無く古代人文明だった・・・と考えるのが自然かもしれない」


頭を抱える盾の騎士とロープ頭。


「何れにせよ、 皆と一旦合流しないか?」

「そうだな・・・皆にも話を聞きたい、 混乱しているかもしれない」

「あぁ・・・ちょっと皆!! 集まってくれ!!」


集まって来るラビー達とでぶ妖精司書。


「図書館では静かにせぇや」(`ω´)ぷんすか

「すまん・・・」


珍しく怒った顔のでぶ妖精に謝罪するカンテラ頭。

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