整理整頓めんどくさい

鳥籠頭とヘルメット頭が蔵書の中を並んで歩いている。


「古代でぶ妖精文明の文献とかあるかな」

「如何だろうな・・・とりあえず古い本を探せば良いだろう」

「雑だなぁ・・・」

「うん?」


ヘルメット頭が一冊の本を手にした。

他の本よりもしっかりとした作りの本である。


「ふむ・・・タイトルは・・・」


本のタイトルは【おでぶちゃんのおうち】


「・・・如何思う?」

「童話か絵本みたいなタイトルだがこの作りから見て

恐らくはでぶ妖精の居住の歴史書じゃないか?」

「見てみるか・・・」


本を開くと本の中ででぶ妖精が眠っていた。

本の内部がくり抜かれ中にでぶ妖精が入れるようになっているのだ。

ぱたんと本を閉じて本棚に戻す。


「名前そのままとはな・・・」

「そもそも誰が作ったんだよ・・・」

「確かに・・・この施設は聊か広い、 でぶ妖精が作れるのか?」


不思議がる二人。


「確かにな・・・でもかなりしっかりとした本だぞ」


ぺらりと本を一冊開く鳥籠頭。


「くとぅる、 くとぅー? なんだかよく分からないな」

「まぁ古代でぶ妖精文明の事を調べようと思えばこの位の苦労は苦労には当たらない」

「そうだな」


本を戻す鳥籠頭。


「しかし色んな本が有るな・・・

【ドグラ・マグラ】【缶詰概論】【ロッサム万能ロボット会社】

【ノベライズ・スカルエンパイア】【可愛いねこちゃん】

【スイーツキングダム・コンプリートファンブック】」

「分かりそうな本から何が何だか分からない本まで・・・ちゃんと整理しろよ・・・」

「だな、 まぁ気持ちも分からなくはない、 こんな量の本を整理しろとか

俺でも嫌だ、 でぶ妖精だったら最早やりたくないレベルだろう」

「確かに・・・でもさっきみたいに住んでいるでぶ妖精も居るんだから

大勢でやれば良く無いか?」

「面倒だからな・・・」


奥に進む二人。

本棚を見て何か良い物が無いか探す。


「ん? 何だコレ」

「如何した?」

「いや、 大学ノートが入っている」


本の中に大学ノートがぽつんと入っていた。


「ふぅん・・・」


大学ノートを取り出すと

そこには【おでぶちゃんの日記】と書かれていた。


「日記・・・か」

「流石に古代でぶ妖精文明の事は書いて無いだろうな・・・」


ぺらりと開く。


遂に新天地にとーちゃーく

いえーい、 やったー、 体が伸ばせるにょー



どうやら複数のでぶ妖精達が書いた物の様だった。


「何だコレは・・・」

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