うどんでぶ妖精の実力

「こ、 これは・・・」


でぶ妖精のうどん。

もちもちして美味しかった。

ラビーが前世で食べたうどんの中でも上位に食い込む程である。


「絶妙な歯ごたえ・・・かなりうまいうどんだな・・・」

「でぶ妖精・・・料理に関しては我々よりも上手だったのか・・・」

「そうね・・・」


伸びる前に全部うどんを食する一行。

つゆまで全て飲み切ってしまった。


「正直でぶ妖精がここまで旨い料理を作れるとは意外だった」

「どやぁ」


ドヤ顔をするうどんでぶ妖精。


「しかし何故こんなに旨いうどんを作れるんだ?」

「おでぶちゃんはもちもちしている、 うどんももちもちしている

故に美味しいうどんを捏ねれるにょ」


ドヤ顔をするうどんでぶ妖精。


「説明になってないぞ・・・」

「強いて言うならでぶ妖精の非力さ、 それがうどん生地を捏ねる力に作用して

良い感じの食感になっているかと」

「なるほど・・・だが不完全だな」


料理人が言う。


「不完全?」

「具を入れろ、 具を、 ネギとか散らせ」

「具はセルフサービスにょ」

「セルフサービス?」

「自分で持って来て入れるにょ」


ズッコケる一同。


「ネギ位だったら持ってきてくれれば刻むにょ」

「まぁ兎も角旨いうどんだったよ、 これはお代ね」


ラビーが人数分の柿を出す。


「にょーん、 ありがとにょー」

「店長、 奢ってくれなくても・・・」

「良いわよ、 こんな美味しいうどんを食べて機嫌が良いから」

「じゃあ有難く好意は受け取るが・・・あぁそうだ店主、 尋ねたい事が有るが」

「今忙しいから早く出てってー」


ぽんぽんぽんと再びうどん生地を捏ね始めるうどんでぶ妖精。


「なら仕方ないか・・・誰かお喋りなでぶ妖精は居るか?」

「それなら町長さんがお喋りにょ」

「町長? となるとここは町なのか?」

「にょー、 そうなるにょ」

「町長は何処に居るんだ?」

「うーんとね、 わかんないにょ、 誰か知って居るおでぶちゃんを探すと良いにょー」

「そうするか、 邪魔したな」


店を出た一行。


「さてと如何しようか?」

「私はもう少し見て回りたい、 でぶ妖精のコロニーがここまで発展しているのは

見ていて面白い」


小説家が少しズレた事を言う。


「・・・一応調査なんだが・・・」

「じゃあ9人いるから3人づつで別れる?」

「それが良いかもなしれないな」

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