閑話 でぶ妖精のジレンマ

ラビーが店を開けている間、 店の中のでぶ妖精達はのほほんと暮らしていた。

ラビーが色々残して行ったのででぶ妖精達は毎日御飯を喰っちゃ寝する毎日である。


「決めたにょ」

「にょー?」

「何を決めたにょー?」


日向ぼっこで眠っていたでぶ妖精達の一人がむくりと起き上がった。


「店長が帰って来たら直談判してみるにょ」

「にょー?」

「何とかぐーたら食っちゃ寝して生活出来ないか交渉してみるにょ」

「にょー、 凄いにょー」

「待つにょ」


他のでぶ妖精が止める。


「にょー? 何で止めるにょー?」

「おでぶちゃんではイマイチ説得力に欠ける」

「にょ?」

「おでぶちゃんはぽよぽよまんまるぷにぷにで可愛い」

「照れるにょー」

「説得力に欠ける見た目にょ

これじゃあおでぶちゃんがぐーたら食っちゃ寝しなければならないと言う

切羽詰まった感じが伝わらないにょ、 何が何でもおでぶちゃんが

ぐうたらしないといけない、 そんな感じがしないにょ」

「にょーん・・・」


悲しむでぶ妖精。


「そしておでぶちゃんはあんまり頭を使わないにょ」

「にょー、 そんな事無いにょー、 今日は何食べるか考えてるにょー」

「労働者と経営者の労働条件に関しておでぶちゃんは余りにも無知・・・

ここは労働環境を是正するネゴシエイターを雇うにょ

これならば説得力と交渉する労力、 いっぺんに解決出来るにょ」

「「「にょー!!」」」


でぶ妖精達は歓声を挙げた。


「でもネゴシエイターを如何やって雇うにょ?

おでぶちゃんの可愛さだけでは動かないにょ」

「盲点」


がっくりするでぶ妖精。


「何とかして報酬を獲得しないと・・・」

「ぴきーん、 閃いたにょー」


閃いたでぶ妖精。



――――――――――――――――――――――――――――



(/ω\)<おでぶちゃんぐーたらしていきたいー

(/ω\)<でも御飯食べる為には働かないといけないー

(/ω\)<なんということだー


この一連の流れをでぶ妖精のジレンマと命名する。



――――――――――――――――――――――――――――


「・・・・・何これ?」


帰って来たラビーはでぶ妖精達に唐突にこんな事が書いた紙を見せられた。


「このでぶ妖精のジレンマ発見の功績を学会に発表する権利をあげるにょ

だからぐーたらして御飯だけ食べさせてください」


その後、 翌日まででぶ妖精達は宙吊りにさせられた。

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