今夜は寝れないかも

食事を終えたラビー達は就寝する事になった。

ラビーと騎士達は宿に案内された、 当然男女別である。


「それで、 タコつぼさん、 何で居るんですか?」


タコつぼの漁師がラビーの部屋に居た。


「貴方の能力、 いや魔法ですか? について話したいのです」

「魔法ですか?」

「少し特異じゃないでしょうか? 炎と氷の魔法なんて」

「確かに珍しいですね、 ですが固有魔法ですから」

「固有魔法?」

「人間が自らの情動で無意識的に組み立てて使う魔法ですね

亜人で言う所の能力に近いですね」

「具体的にどんな魔法なのか御話頂いても?」

「私も何となくでしか使っていないので良く分からないですね」

「何となくで川を凍り付かせられるという事ですか・・・

制御は出来ない?」

「いえ、 制御は出来ますよ、 何となく」

「何となくですか・・・」


考え込むタコつぼ。


「貴方の能力、 いや魔法ですか、 炎と氷を操る魔法では無く

熱を操る魔法なのでは無いでしょうか?」

「熱を操る?」

「えぇ、 熱量を下げて凍り付かせたり、 熱を与えて燃やしたり」

「なるほど、 そう言う事かもしれませんね

あんまり意識していませんでしたが・・・」

「意識的に探って見て欲しいですね」

「・・・・・何でそんなに私に気にかけているのですか?」


ラビーが疑問を口にする。


「店長さん、 貴方の能力がもしも熱を操る能力ならば

革命的な能力ですよ」

「能力じゃなくて魔法ですよ、 確かに私の魔法は強力かもしれませんが」

「そうじゃないです、 良いですか、 もしも温度を自在に操るのならば

温度を下げて冷燻が可能になります」

「!!」


ラビーがハッとする。


「そ、 その手が有ったか!!」

「その様子だと冷燻は御存じですね?」

「勿論知って居ますよ!!」


なので説明は省く、 とは言えないので説明をしよう。

15~30度以下の低温で燻製する方法が冷燻である。

かなり長期間に渡って薫製する為、 難易度が高い。

冷燻で作られる代表的な薫製はスモークサーモンである。


「熱を調節出来る魔法が如何かは分かりませんが

温度を下げる事なら可能ですから冷燻は可能です!! やりましょう!!」

「かなり乗り気で助かりました

実はここに来たのはその能力を生かして冷燻を作って互いに儲けないかと言う話です

網元には話を通してありますので儲けについて色々話し合いと思います」

「分かりました、 今夜は寝られないかもしれませんね」

「うーん、 仕事では無い時に言われたいですねぇ」


タコつぼとラビーのビジネス的な話し合いが始まった。

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